本当に強い大学【2011年版】総合ランキング・トップ100--教育力・就職力・財務力で独自ランキング
受験生・学生そしてその親が、通いたい・通わせたいと思えるような、「社会に出て生きていける力」を身に付けられる大学ははたしてどこか。それを探ったのが、恒例の「本当に強い大学ランキング」だ。対象は、『週刊東洋経済』2011年10月22日号の別冊綴じ込み付録「大学四季報」に掲載している182大学(私立114、国立60、公立8)である。
教育・就職・財務力を計11の指標で総合判断
週刊東洋経済では、その評価軸として、「教育力」「就職力」「財務力」の三つを重視した。それぞれについて3~4項目の指標を、財務情報や就職率などの属性情報を基に計算。合計11の指標ごとに偏差値を算出し、その獲得点の平均を大学の総合ポイントとして順位をつけた。
「教育力」を測る指標としては、まず、「教育研究充実度」を見る。教育研究にどの程度のおカネをかけているか。私立大学と国立大学で会計基準が異なるため、私立大学では収入に対する教育研究費の比率を、国立大学では経常費用に占める教育研究費の比率を見ている。いずれも数値の高いほうが教育研究を重視している大学といえる。
次に、「学生1人当たりの図書資産」の額を見た。これは本年度から新たに加えた指標で、決算書に計上されている図書資産を学生数で割ったもの。書籍や雑誌のほか、DVDやフィルムなども含む。研究を深めたい学生にとって、文献や映像資料が充実している大学は、教育力があると考えてよいだろう。
なお、昨年まで指標として採用していた、文部科学省が優れた教育改革の取り組みとして選定するGP(Good Practice)の採択件数は、2011年度の新規採択がなかったため、除外した。
「科学研究費補助金」も、大学の教育力を測る指標として採用している。科研費は、研究者や研究グループに国から交付される補助金。科研費の多い大学は、独創的・先駆的研究が多いといえ、その高い研究水準は教育にもプラスに働くだろう。「教員1人当たり学生数」は、数値が低いほど、きめ細やかな指導が行えると考え、指標に入れている。