クルマ界の"カルトイベント"が公式化の意味 ディープなVolkswagenファンを訪ねてドイツへ

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村落が発展したのでなく、フォルクスワーゲンが工場を設立するため1938年に作られた、人工的な工業都市である。工場だけでなく、フォルクスワーゲン本社もここに置かれ、大きく発展してきた。

今回のGTIファンフェストは、その隣にあるフォルクスワーゲン・アレーナ(アリーナ)を取り囲むように大きな規模で開催された。

「GとTとIという3つのアルファベットは、自動車界では伝説的ともいえる組み合わせです」と、談話を発表しているのは、フォルクスワーゲンのトマス・シェファーCEO。

GTIの3文字を強調した新型車の展示コーナー(写真:Volkswagen)
GTIの3文字を強調した新型車の展示コーナー(写真:Volkswagen)

「50年前に最初のゴルフが、ここウォルフスブルグの工場でラインオフしたこともあり、GTIのコミュニティ、ウォルフスブルグ、ゴルフの3つの組み合わせは、完璧といえるものではないでしょうか」

「愛されるブランドに戻りたい」

実際に会場を訪れてみると、人、人、人……それに、ゴルフ、ゴルフ、ゴルフ……といった具合。

初代から最新の第8世代(ゴルフ8)までのゴルフGTIを中心に、4輪駆動の高性能モデルである「ゴルフR」や、モータースポーツ関係車両、ショップやオーナーの手になる改造車、そこに「ポロ」や「シロッコ」や「ルポ」などのスポーティなフォルクスワーゲンのハッチバックが混じる。

主催したフォルクスワーゲン本社によると、来場登録をした車両は700台。実際は2500台が訪れたそうで、会場とその周辺の道はGTIで埋め尽くされていた。

一部「ゴルフR」などもいるが、ほとんどが「GTI」のエンブレムのついたフォルクスワーゲン車(写真:Volkswagen)
一部「ゴルフR」などもいるが、ほとんどが「GTI」のエンブレムのついたフォルクスワーゲン車(写真:Volkswagen)

日本なら700万円を超える個体があるミントコンディションの初代や2代目のゴルフGTIも、数えきれないほどである。

「GTIがこれだけ人気を集めたのは、“パーフェクトなクルマ”だったからだと思っています。パーフェクトとは、たとえば学生が乗っても、ビジネスマンが乗っても、お金持ちが乗っても似合う。誰にでも似合うし、好きになってもらえるという意味です」

会場で話を聞いた際、シェファーCEOはそう語った。いまフォルクスワーゲンは、シェファーCEO指揮の下「LOVE BRAND」なるスローガンを掲げ、ブランドイメージの刷新を図っている。「愛されるブランドに戻りたい」と、私は説明を受けたことがある。

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