クルマ界の"カルトイベント"が公式化の意味 ディープなVolkswagenファンを訪ねてドイツへ
実際、会場の一画には「ID.GTI」も飾られていた。2023年9月にミュンヘンで開催された自動車ショー、「IAA MOBILITY 2023」でお披露目された、電動化時代のGTIという触れ込みのコンセプトモデルだ。こういうモデルが展示されるところが、メーカー主催イベントならでは。
「会場設定や予算を含めて、今回は私たちが主催しているため、よりたくさんのクルマを見せることができました」
フォルクスワーゲン取締役会メンバーで、乗用車部門のセールス・マーケティングとアフターセールスを担当するマルティン・ザンダース氏は、開催の背景について聞いたとき、上記のように答えた。
加えて、2025年に発表を計画しているコンパクトなBEV(バッテリー駆動EV)のコンセプトモデル「ID.2 all(アイディーツーオール)」や、6月の「ゴルフ50周年」記念イベントでも公開した、よりスポーティな「ゴルフGTI クラブスポーツ」や、パワーの上がった「ゴルフR」も、来場者の注目を集めていた。
「私たちのこれからについても理解を深めていただける点が、ファン主催からメーカー主催へと変わった、最大の特徴ではないでしょうか」。ザンダース氏はそう付け加えた。
とはいっても、GTIファンフェストの主役は来場者自身。駐車場を歴代ゴルフGTIとフォルクスワーゲンのスポーツモデルが埋め尽くした光景は、圧巻だ。
イギリスやベラルーシから自走でくるファンも
来場者に話を聞くと、ドイツからが圧倒的に多かったが、イギリス(次に多かった)、スウェーデン、スペイン、さらにベラルーシから自走で参加したファンもいた。共通していたのは、「長い間、乗っている」という、ドライバーとクルマとの歴史の長さ。
前回までGTIトレッフェン(ミーティングの意)と呼ばれたファンミーティングは、オーストリアの保養地、ベルターゼーで開催されていた。そこに人が集まりすぎて近隣から苦情が出るようになっていたと、聞いたことがある。
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