国内外のマッチングアプリ熟知した"プロの発見" リクルート、Tinder、エニトで働いて見えること

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――マッチングアプリには既婚者や遊び目的の人、宗教や投資勧誘目的の人も交じっているという体験談はよく聞きます。なお、東京都が開発中のマッチングアプリは登録時に結婚相談所並みの身分確認書類の提出を求める予定のようです。

一定量の人が集まる場には、悪意のある人も一定量交じってしまいます。そこは認識しています。ただし、目的外利用者などを排除する仕組みを持ってルール違反も常時監視している私たちと、いわゆる出会い系サイトなどの事業者が、「インターネット異性紹介事業」の届け出を警察に出した者として一緒にされている現実もわかっていただきたいです。国際ロマンス詐欺などが話題になっていますが、「SNS型投資詐欺」の接触ツールとしてマッチングアプリが使われた比率は男女あわせて全体の4%以下です。

身分証明書の確認が登録時ではなく、メッセージを送る前になっているのにも理由があります。多くの人は、「このアプリにはどんな人がいるのか」を見たうえでお金を払ったり身分証を提出したりする判断をしたいはずだからです。

小野澤社長と、エニトグループでTrust & Safety室長を務めている安信竜馬さん(撮影:尾形文繁)

――withとOmiaiの累計マッチング数はそれぞれ1億組を突破しているそうですね。そのうちで婚姻届の提出に至ったカップルはどれぐらいいるのでしょうか。本連載でもマッチングアプリ婚の夫婦を取材することは少なくありませんが、全体のマッチング数からすると数パーセントの確率だと感じています。

エニトグループでは退会時にアンケートをお願いしており、withとOmiaiを合わせて年間で約15万人の方が「幸せな退会をした」との回答をいただいています。そのうちで婚姻届を提出した方の数は追っていません。私たちは(成婚まで寄り添うサービスとは)違う役割を担っていると思っています。

――そうなんですね。ちなみに僕は個人的に“お見合いおじさん”として世話焼き活動をやっていて、今のところ10組の成婚カップルがいて、全員の婚姻届提出を確認しています。

ポイントは「第三者の目を入れること」

大宮さんから見て、どうアピールすればまだ見ぬ結婚相手に響くと思いますか?

――それはケースバイケースですが、男女とも相手からみて「かわいい」と思える部分があるか、は大事だと思います。異性経験がまったくないといった「弱み」も、受け取る相手によっては安心材料になったりします。

なるほど、すごく興味深いです。そういったノウハウをいかに仕組化するかも考えてみたいです。

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