創業10年で「味が完成」赤坂博多ラーメン店の格闘 マズいと言われてたのに…独学重ね"極上の一杯"に

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「今年の3月ぐらいでようやく納得できるものができたという感覚です。ただ、豚骨はブレが大きいのでいい日もあれば悪い日もある。永遠の旅ですね」(馬場さん)

毎日、「豚骨」のことを考え続けた日々だった

馬場さんが「和」を継いだときはまだ完全な素人だったが、それでも改良の余地があると思ったことが凄い。悔しさをバネにしながら、やっているうちにどんどん豚骨が好きになっていった。お店の行き帰りの電車の中でも豚骨のことばかりを考え、毎日試行錯誤しながらその難しさと戦っていったのである。

博多ラーメン和の写真
美しさすら感じさせるビジュアルだ(筆者撮影)
店主・馬場圭佑さん
この瞬間がたまらない(筆者撮影)
できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術
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「誰にも教わらず、YouTubeが豚骨ラーメンを教えてくれました。誰にも教わらなかったからこそ独自の作り方でここに行き着いたのだと思います。

本当にブレが大きい豚骨ラーメンですが、上ブレの日は本当に最高の味です。これをどう維持できるかが今後の課題です。これを当たり前にやっている他の豚骨ラーメン店にはリスペクトしかないですね」(馬場さん)

ラーメン店はオープン初日にその味が決まっているところばかりではない。だんだん味のブラッシュアップをしながらファンを獲得していく。しかし、「和」のように10年経ってブレイクするお店というのは本当に珍しい。

修業もせず、誰にも教わらずに辿り着いた独自の製法。馬場さんが諦めずに豚骨と向き合ってきたその努力がついに実を結んだのである。

博多ラーメン和(かず) Xのポスト
10年目にして、「やっと豚さんが振り向いてくれてきた」。なんともエモいポストである(画像:「博多ラーメン和(かず)」Xより)
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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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