株価暴落「投資」と「ギャンブル」はどこが違うのか 投資が「ギャンブル化」してしまう大きな勘違い
経済の教養が学べる小説『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』の著者である田内学氏は元ゴールドマン・サックスのトレーダー。資本主義の最前線で16年間戦ってきた田内氏はこう語る。
「みんながどんなにがんばっても、全員がお金持ちになることはできません。でも、みんなでがんばれば、全員が幸せになれる社会を作ることはできる。大切なのは、お金を増やすことではなく、そのお金をどこに流してどんな社会を作るかなんです」
今回は、8月5日の日本株暴落を受けて、あらためて「投資」と「ギャンブル」の違いを解説してもらう。
「ギャンブル化」してしまう投資
日銀による想定外の利上げをきっかけに、この1週間で為替相場は1ドル152円から142円まで下落し、3万9000円台だった日経平均株価も一時3万1000円台にまで暴落しました(8月6日には為替相場は一時1ドル146円程度まで、日経平均株価は3万4000円台まで戻しています)。
わずか0.25%の利上げでこれほど相場が動いた背景には、アメリカ経済の減速への警戒感が高まったこともありますが、個人投資家による投機的なポジションの積み上がりも一因としてあるでしょう。
投資商品を勧めたいがために、「投資はギャンブルではない」という人もいますが、一歩間違えればギャンブルになる側面もあります。そうならないためには、投資というゲームの正体を知ることが重要です。
投資によって儲けるとき、その利益は主に2カ所からやってきます。
1つは投資先の企業の利益で、もう1つは他の投資家からの支払いです。
① 企業の利益
企業が利益を上げると、その一部を配当として株主に支払うことがあります。例えば、企業が画期的な製品を開発すると、会社の業績が伸びることが期待されます。将来、株主が受けとる配当の増加も予想され、株価が1000円から1500円に上昇したりします。この場合、配当が支払われるまで株を保有し続けて利益を得ることもできますし、1500円で株を売却して500円の利益を得ることもできます。
企業が利益を上げると、その一部を配当として株主に支払うことがあります。例えば、企業が画期的な製品を開発すると、会社の業績が伸びることが期待されます。将来、株主が受けとる配当の増加も予想され、株価が1000円から1500円に上昇したりします。この場合、配当が支払われるまで株を保有し続けて利益を得ることもできますし、1500円で株を売却して500円の利益を得ることもできます。
② 他のプレーヤー(投資家)からの支払い
上の例で新製品が思いのほか売れずに利益が増えなければ、配当も増えません。株価は元の1000円に戻ります。しかし、そうなる前に株を1500円で売っていれば、500円の利益を得ることができます。この利益は他の投資家が1500円で買ってくれたおかげで実現したものです。
上の例で新製品が思いのほか売れずに利益が増えなければ、配当も増えません。株価は元の1000円に戻ります。しかし、そうなる前に株を1500円で売っていれば、500円の利益を得ることができます。この利益は他の投資家が1500円で買ってくれたおかげで実現したものです。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら