「パンツ界のエルメス」は日本で生まれるか? 東大→マッキンゼー出身社長が抱く壮大な夢
「今はパンツ一筋」枡野さんの今までのキャリアには、一見一貫性がないようだが、「子どもの頃からの夢を追い続けてきた結果だ」と振り返る。
「子どもの頃から海外に憧れていて、高校時代には国連事務総長になりたいと本気で思っていました。世界的に活躍できる人になって、規模的にも地理的にもより大きなことをしたいという思いが強かったのです。もともと、『キャリアは人生におけるグリコのおまけのようなものであって、人生の本質ではない』と思っていて、おまけであればこそ逆に、徹底的にやりたいことをやり、楽しみ尽くしたいと考えていました。だから大学でも国際政治を勉強したのですが、国連という“Government of Governments”では、自分にとっては自由さに欠けると気づいた。そんなときに『グローバルな視点で企業の問題解決に携わっている会社がある』と聞き、マッキンゼーに就職を決めました」
キャリアを楽しみ続けていきたい
マッキンゼーに入社するまではビジネスにはあまり興味がなかったというが、4年間経営コンサルタントとしてさまざまな企業に関わるうちに「世の中を動かすのはビジネスにほかならない」と実感。そんなときに、ヘッドハンターからの声掛けでレアジョブを知り、「安く手軽に英語を学びたいという日本人の欲求と、経済成長国での雇用問題を同時に叶えるビジネスに感動し、自分もその課題解決に尽力したい」と転職を決めた。
ライフネット生命への転職は、レアジョブ時代にプロボノ活動していた、アフリカの貧困撲滅支援を手掛けるNPOミレニアム・プロミス・ジャパンで、ライフネット生命現社長の岩瀬大輔氏と知り合ったのがきっかけ。同社が海外展開に着手しようというタイミングだった。
「発展途上国では、稼ぎ頭の父親が病気や事故で働けなくなったことを機に一気に貧困に陥る家庭が多い。生命保険は、途上国にこそ必要なしくみであり、特に途上国での普及に自分が関わることで社会問題の解決に力を発揮したいと思ったのです。……先ほど、『キャリアは人生におけるグリコのおまけのようなもの』と言いましたが、そのおまけの面白さをひたすら追いかけ続け、心の赴くままに行動した結果が、僕のキャリア。気づいたらTOOTに流れ着いていた……という感じですね」
枡野さんは現在32歳。TOOTに全力投球してブランドを確立した後は、「エンジェル投資家」になりたいという夢を持つ。創業間もない企業に資金を提供する個人投資家のことだ。
「今までと同様、これからのキャリアも、思い切り楽しみたい。興味・関心の幅がとても広いので、おカネとヒトとアイデアを見極めていろいろな人に投資するのって、きっと自分に向いている役割だと思うんです。これは以前から抱いてきた夢で、40~50代には実現したいと思っていたのですが、パンツ屋がどれぐらい面白くなっちゃうかわからないので、いつ実現できるかわかりませんけどね(笑)。これからも興味の赴くまま、流れに逆らわずに、キャリアを楽しみ続けていきたいと思っています」
(EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭)
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