非常時とジャーナリズム 井上亮著
現在の世相は昭和前期と似ているという。当時の抵抗の言論人4人、石橋湛山、桐生悠々、清沢洌、菊竹六皷と、言論界最大の「戦争放火者」徳富蘇峰がいかなる言葉を残したのかをまとめる。
「勝たねば日本は滅びる、国家の生死存亡のために勝ち抜かねばならぬ」「勝ち抜くためには水にも入り、火にも入り、体当たりはもとより自爆もまた辞するところではない」「日本はすでに勝っている。勝ちつつある。攻めれば必ず取り、戦えば必ず勝つ」。徳富蘇峰は、現在の常識的な理性を持つ人間にはとても読めない『必勝国民読本』で、そう口述筆記させている。
非常時の昭和から何を学ぶか。何より道理を捨てた言論・報道を戒める。
日経プレミアシリーズ 914円
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