世界インフレ襲来 熊谷亮丸著

世界インフレ襲来 熊谷亮丸著

短・中・長期の整理された時間軸の視線をつねに持って、それぞれに前提を認識しつつ読むべき経済予測本である。それも、決して明日世界インフレが襲来する予測ではない。

真骨頂は、資産防衛戦略だ。結論的には、世界的にインフレ圧力が高まる中で、グローバルな金融市場ではスイートスポット(株高・債券高の併存)は終焉に向かう。世界的に金利も上昇に向かうが、世界的な株式相場のサイクルは「金融相場」から「業績相場」に移行し、少なくとも2012年いっぱいは株価の上昇が見込まれる。日本株も東日本大震災後の混乱が一巡すれば上昇が期待できる。ただし、商品価格の高騰が「ワイルドカード」となり、株式のブル(強気)相場の期間は短いという。

本書の予測そのものを鵜呑みにするのではなく、エコノミストの披露した分析手法を学ぶという読み方もできる。読者自身の経済予測思考のトレーニングに適した教材にもなる。

東洋経済新報社 1890円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • トランプ派メディアの実態
  • 中原圭介の未来予想図
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
好業績の裏で検査不正<br>スズキ「鈴木修経営」の光と影

5月10日の決算会見に登壇し完成検査の不正を詫びたスズキの鈴木修会長。不正は組織的・構造的な問題か、現場への目配り不足によるのか。長年にわたるカリスマ経営の副作用を指摘せざるをえない同社のガバナンス体制を詳解する。