世界インフレ襲来 熊谷亮丸著

世界インフレ襲来 熊谷亮丸著

短・中・長期の整理された時間軸の視線をつねに持って、それぞれに前提を認識しつつ読むべき経済予測本である。それも、決して明日世界インフレが襲来する予測ではない。

真骨頂は、資産防衛戦略だ。結論的には、世界的にインフレ圧力が高まる中で、グローバルな金融市場ではスイートスポット(株高・債券高の併存)は終焉に向かう。世界的に金利も上昇に向かうが、世界的な株式相場のサイクルは「金融相場」から「業績相場」に移行し、少なくとも2012年いっぱいは株価の上昇が見込まれる。日本株も東日本大震災後の混乱が一巡すれば上昇が期待できる。ただし、商品価格の高騰が「ワイルドカード」となり、株式のブル(強気)相場の期間は短いという。

本書の予測そのものを鵜呑みにするのではなく、エコノミストの披露した分析手法を学ぶという読み方もできる。読者自身の経済予測思考のトレーニングに適した教材にもなる。

東洋経済新報社 1890円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
自動車「コロナ不況」が促す<br>部品業界サバイバルの行方

コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。