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Netflixゲイの恋リア「ボーイフレンド」の長短 「おっさんずラブ」的なポテンシャルが見えた 

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ダイ(右)とシュンの恋物語が全体を引っ張る。萩尾望都の傑作漫画「ポーの一族」のエドガーとアランのような関係性に見える(画像:Netflix)

ダイとシュンの関係性は、萩尾望都の名作漫画「ポーの一族」のエドガーとアランのようにも見えてきます。多少のネタバレになりますが、恋の場数をたくさん踏んでいるダイが繊細な性格のシュンの気持ちを少しずつ解放していく姿がじっくり描かれています。決して順調ではない道のりですが、信頼を深めていく様子が実に微笑ましく、美しいのです。

「結局はBL好き向けでは?」と決めつけるのはもったいないかもしれません。ドラマ「おっさんずラブ」や「きのう何食べた?」などがノンケの男性からも支持されたように、ダイとシュンの恋愛にはそんなポテンシャルがあります。

海外で高評価も勢い足りず

7月9日からNetflixで世界独占配信されて以来、イギリスの大手一般誌『ガーディアン』で熱いレビューが掲載されたり、アメリカの辛口評論サイト「ロッテン・トマト」では高スコアで一般視聴者から支持されたりと一定数の評価も受けています。Netflix公式ランキングでは、日本の「今日のTOP10」で一度、1位を獲得、週平均では日本だけでなく、香港とシンガポールでもTOP10入りし、実力を証明しています。

ですが、爆発的な人気を集めているとは言いがたい。主役といえるダイとシュンが視聴者を惹きつけている一方で、和食料理人のカズト(27歳)に思いを寄せるいくつかの恋愛や、モデルのリョウタ(28歳)やヘアメイクのゲンセイ(34歳)の片想いといった、言うなればサイドストーリーが薄いのです。この点は、番組最大の弱さとなっています。

勝手に人気が広がっていくリアリティ番組は、たとえうまくいかない恋愛でも勢いだけはあったりします。また、恋愛以外の個性の部分で魅力を引き出すことに成功しています。設定という意味では同じく新しかった「あいの里」(Netflix)がまさにそう。中年の恋を扱うという話題性だけでなく、なりふり構わない恋愛に圧倒される場面が多く、リアリティ番組の新境地を拓いていました。シーズン2として年内中にまた戻ってくる予定です。

そう考えると、「ボーイフレンド」は、やっぱり浮世離れ感や上品すぎるところが課題にあったように思います。マイノリティの恋愛リアリティ番組は見せ方が慎重にならざるをえなかったのかもしれません。そんな中で、リビングルームやプールサイドで彼らが繰り広げる会話で、同性婚やカミングアウトなど踏み込んだ話を取りこぼしていないことは評価したいです。

同性婚やカミングアウトなど踏み込んだ話も展開し、信頼関係を築く参加者たち(画像:Netflix)

過去にテレビ大阪で韓国の「ボクらの恋愛シェアハウス~Boys Love ∞(アンリミテッド)~」が地上波放送されたことがあったものの、ありとあらゆる種類のバラエティ番組がある日本の地上波でも男同士の恋愛リアリティ番組はまだ作られていません。今回、実現したこと自体に価値があると改めて思います。

ニッチなゲイカルチャーを扱ったアメリカのリアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」が賞レースで常連になり、各国版へと広がり、番組出身者がパリ五輪の開会式でパフォーマンスした例もありますから、始めない限りは火が付くかどうかは誰もわかりません。もし再び作られることがあれば、笑いにも変えられるような強さがもっと欲しい気がします。

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