日本のワークチェア、ここまで進化していた 「インスパイン」は何が優れているのか

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そんな中でインスパインを選んだ理由は、パソコンの画面とキーボードにひたすら向かっている、やや後傾気味に体を預けながら仕事をしている場面と、前傾姿勢を取りながら紙の書類作業などをしている場面、両方で納得できる心地よい体験ができたためだ。

中でも見えない(しかし、大きな)ポイントとなるのが、ポスチャーサポートシートという座面構造と前述したワイヤーを用いたランバーサポートだ。

ポスチャーサポートシートとは、骨盤の形状に合わせて多層構造に設計されたシートで、座ってみるとお尻の形に合わせて心地よく体を支えてくれるのが体感できる。このシート、心地よいだけでなく、後ろに傾いた角度がついていないにも関わらず、後傾姿勢で体を背もたれに預けても前へと滑るのを防ぐ効果があるという。少し後傾気味にバーンと体を預けても、ズルッとお尻が前に行きにくいということだ。

座面前端の角度を調整できる

一方で座面が後ろに傾いていないため、さっと前傾方向に姿勢を変化させても、座面の先端が邪魔で前傾しにくいということもない。自然に前へ後ろへと姿勢を変えられる。さらに前傾のまま作業がしたいならば、3度まで座面前端の角度を下げることができる。こうすることで太ももへの圧迫を和らげてくれるのだ。

ワイヤー構造によるランバーサポートも、思ったよりも背中への当たりはソフト。1本で繋がるワイヤーで支えるため、どんな体型でも追従してくれるのも特徴で、これもまた後傾姿勢時のフィールを高めている。

一時はデスクワークと言えば、パソコン利用時の姿勢が最重要視されていた。もちろん、今でもパソコンを使う時間は長いだろうが、一方で書類をまったく扱わないという現場も少ないのではないだろうか。さらには、スマートフォンやタブレットなど、仕事に使うデバイスは多様化している。

筆者の場合、前傾だけではなく、後傾だけでもない、多様な姿勢に快適に対応出来たことと、座面の感触がインスパインを選んだ理由だ。18年前、MARTIN STOLLを購入した時には、ほとんどの作業をパソコンだけでこなしていた。当時ならインスパインには目が向かなかっただろう。

皆さんも変化しつつあるオフィス環境、ワークスタイルの中で、何が最適のワークチェアなのか。見直してみてはいかがだろうか。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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