スマートフォン(以前なら携帯電話)のすばらしい点をひとつだけ挙げるとしたら何か。
あまりに当たり前すぎて、普段は考えることすらないが、ひとつだけ上げるとすれば”完全にワイヤレス”であることだろう。すなわちあらゆる”ケーブル”から逃れ、単体でコンピュータとして機能し、ネットワークを通じたコミュニケーションを実現してしまう。
かつて、まだスマートフォンが生まれていない頃、携帯電話でインターネットを利用する基盤技術を提供していた会社がイベントを行い、参加者に対して”ニッパー”を配布したことがあった。商品名には「Unwire Conversion Kit(ワイヤレスに切り替えるためのキット)」と書かれ、使い方として電話線を自ら切断する絵が描かれていた。
もちろんジョークなのだが、そんなジョークに誰も笑えないほど、今の世の中はUnwired(ワイヤーから切り離)されている。
結局は、ワイヤーから逃れられない
しかし、そんなワイヤレスが当たり前の現代においても、相変わらず”ワイヤー”……すなわち接続コードは駆逐されているわけではない。充電する際にも、パソコンに接続する時にも、何らかのワイヤーは必要になるのだ。近年はワイヤレス充電や、WiFi/Bluetoothを使った解決策もあるが、「コードがある方がいい」場面は少なくない。
たとえばパソコンからテザリングでネットにつなぐ場合も、小さなスマートフォンの電池ではあっという間にバッテリーが減ってしまう。しかし、より大きなパソコンの電池を給電元として活用しながら、安定した有線での接続をパソコンに提供できる。
と、やや長い前振りから入ったが、完全に無線化されたインターネット環境が当たり前になった今でも、部分的にはケーブルが必要であることに異論はないだろう。
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