東芝、不正の場になった「社長月例」を廃止  役員処分で16人の報酬返上・1人辞任

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 7月29日、東芝は不正会計問題を受け、「社長月例」を廃止したことを明らかにした。写真は経営刷新委員会に臨む室町社長(右から2人目)。都内で同日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 29日 ロイター] - 東芝<6502.T>は29日、不正会計問題を受けて、経営陣が「チャレンジ」と呼ばれる業績改善の圧力を部下にかけたとされる「社長月例」を廃止したことを明らかにした。同日、室町正志社長ら役員の処分を発表。取締役・執行役16人の月額報酬を減額し、執行役1人が辞任した。

8月から室町社長は月額報酬の50%を返上することで、5月以降の減額分と合わせて90%の減額とする。7月から3カ月間、成毛康雄専務ら執行役8人の月額報酬の減額は40%とし、室町社長を除く社内取締役3人の減額を30―40%、社外取締役4人の減額は20%とした。

21日付で辞任した田中久雄前社長ら8人の取締役に続き、第三者委報告で不正会計への関与を指摘された大角正明常務執行役は29日付で辞任した。

また東芝は、同日付で、再発防止策などを検討する経営刷新委員会を設置した。9月下旬の臨時株主総会で発足する新経営体制発足に向けて、社外取締役と外部有識者でガバナンスを検証し、改善策を策定する。同日、第1回会合を同社本社で開催した。

メンバーは、社外取締役4人、外部の有識者4人で構成。委員長には社外取締役の伊丹敬之氏が就き、外部有識者として2人の委員と2人のオブザーバーが就任。オブザーバーの1人として三菱ケミカルホールディングス<4188.T>の小林喜光会長を選任した。

社長月例は毎月下旬に開かれていたが、7月は開催しないまま廃止とした。代わって、キャッシュフロー実績をベースに改善を討議する「業績報告会(仮)」を毎月上旬に開催する。

内部統制の強化として、取締役会には業績報告会で使用した資料を通じて執行状況を報告することとした。損失先送りが行われていた工事進行基準の運用は見直し、受注内容や原価の見積もりの精度を高めるため、四半期ごとのチェックを徹底する。新経営体制では、取締役の過半数を社外とするため、弁護士や公認会計士を中心に選任を進める方針。

 

(村井令二)

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