「楽観的」というだけで、10年も寿命が伸びる NHK「白熱教室」が迫る脳科学の最前線

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たとえば、決してあきらめない楽観主義者だったことで有名な、トーマス・エジソン。

彼が電球の開発に取り組んだとき、うまくいかなかった試作品は一万個を超えました。それを知ったエジソンは、「失敗したのではない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ」と高らかに口にしたのです。
彼が最後には竹のフィラメントに出会って、電球の開発に成功したことはご存じの通りです。

マイケル・J・フォックス

また、かつて俳優として絶頂にありながら、パーキンソン病で人生のどん底に突き落とされたマイケル・J・フォックス。彼は不屈の楽観主義で病気と闘い、ついに俳優復帰を果たすまでになりました。
私が彼と直接何度も話し、実験に参加してもらった結果は驚くべき展開を見せたのですが、それは第4回でお話しすることにしましょう。

真の楽観主義とは?

さて、世の中には「ポジティブ思考」を勧める自己啓発本があふれています。しかし私は、単に前向きに「こうなってほしい」と考えるだけのポジティブさと、こうした人々の楽観主義は似て非なるものだと考えています。

何が違うのか?

私の考えでは、真の楽観主義とは4つの要素に分けられます。もちろんポジティブ思考はひとつの大切な要素です。しかし、それ以外の3つ、

・実際のポジティブな行動

・根気と粘り強さ

・自分の人生をコントロールしている感覚

を持つことこそが、成功につながる真の楽観主義だといえるでしょう。

エジソンやマイケルの逸話は、単に前向きな思考法を表しているだけではありません。彼らは何度失敗しても、粘り強く継続して実際に挑戦を続けたからこそ、最終的に成功を得ました。これこそが、真の楽観主義といえるでしょう。

さて、私の専門の脳科学から見ると、こうした楽観的な人の脳では何が起こっているのでしょうか? 本講義のテーマである「楽観脳と悲観脳」の秘密の一端がここにあります。

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