千葉銀行の事例では、親密代理店ではなく、千葉銀本体に損保ジャパンから出向している社員が、情報を漏洩していたという。
さらに複数の関係者によると、霞が関の中央省庁との人材交流で大手損保から出向していた人物が、「省庁内での引き継ぎ資料を(出向元である大手損保の)公務開発部門などに連携していた」事例が過去にあったという。
つまり、出向者があたかも「スパイ」のように、行政機関の機密性の高い情報を、出向元の損保に横流ししていたということだ。
「不正競争防止法違反に当たる可能性も」
代理店の契約者情報や行政機関の業務資料といった機密情報の漏洩は、個人情報保護法違反にとどまらず、「不正競争防止法違反に当たる可能性がある」(金融庁幹部)。
金融庁は7月22日に、損保ジャパン、東京海上、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の4社に対して、情報漏洩をめぐって8月末を期限として報告徴求命令を出している。
報告を求めている内容は、各社が5月に公表していた、主に自動車ディーラーにおける契約者情報のメール一斉送信による情報漏洩と、損保からの代理店出向者による情報漏洩についてだ。行政機関や金融機関本体への出向者による情報漏洩は、報告内容に含んでいない。
今後、金融庁による追加の調査・報告指示で出向者による情報漏洩が代理店に限らず、広い範囲で確認された場合には、行政機関や金融機関との人材交流が大きく制限されることになるかもしれない。
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