「長生きしたくない」高齢者が日本に多い"なぜ" 「ピンピンコロリ」で逝きたいが、女性は難しい?

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結果として、高齢者の社会だから寝たきりが増えているというように、安易な見方がされがちです。

実際には、医者にかかっていない高齢者は多く、4割以上は医者知らずだと言われています。しかし、こういった事実は、あまり報道されません。病気の人の統計はありますが、健康な人、医療とは関係のない生活をしている人のデータはなかなか集めにくいという事情も関係していそうです。

寝たきりの寿命を延ばす医療

話を戻して、寝たきりについてです。

北欧をはじめとして欧米では寝たきりがいないと伝えられることがあります。

これは、欧米の医療が進んでいるからではありません。寝たきりがいないのではなく、寝たきりという状態を作らないのです。

日本のように、末期医療になって口から食べられなくなっても、鼻から管を入れたり、胃ろうを作って栄養を強制的に入れたりすることがないのです。

欧米ではこういった行為は、虐待と見なされます。

口から食べられなくなれば、点滴もしませんし、肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。

一応、日本でも、高齢者の末期の状態に対して、経管栄養や胃ろうをやらなくなってきましたが、まだ行われています。こうした栄養を強制的に投与する延命治療が、日本の寝たきりの期間を延ばしているのは間違いありません。

高齢者が寝たきりになってから死ぬまでに1年前後しかないとは書きましたが、それでも短くはないでしょう。

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