15年間「果物だけ」を食べ続けてわかったこと 医師の「フルーツの食べ過ぎに注意」に異議あり

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また、世界150カ国以上の研究者が協力して、各国の食習慣と死因に関する医学研究を統合的に分析したところ、日本人の死因への影響の大きい上位3つの食習慣は、①塩分の摂りすぎ ② 玄米などの全粒穀物不足 ③フルーツ不足でした。

さらに国立がん研究センターも、がん予防のためにも野菜やフルーツ不足にならないよう積極的に摂ることを勧め、 WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)も、がん・心臓病・糖尿病・肥満の予防のために、フルーツと野菜を毎日合計400g以上食べることを推奨しています。

「フルーツは甘いから糖質が多いだろう」。だから「きっと糖尿病リスクが大きい食品だろう」。なので、「フルーツの食べすぎには注意すべきだ」というのは、科学的根拠のない個人的な意見であり、単なる先入観なのです。

フルーツを食べない日本人

生活習慣病予防効果の高いフルーツですが、2021年の国連食糧機関の統計によれば、各国の国民1人当たりへの1日の供給量(摂取量+廃棄量)について、日本は世界平均の半分しかなく、先進国で断トツ最下位、世界186の国と地域の中で156位でした。日本より少ない国は、アフリカやアジアの発展途上国だけです。

(画像:筆者提供)

実際、2019年の厚生労働省の統計によると、日本人は平均で、ジャムや果汁などの加工品を含めても、1日に100gもフルーツを食べていません。高齢世代を含め、全世代が国の目標量の200gを大きく下回っています。

下の棒グラフを見れば、30代男性では32gなど、特に20~50代の現役世代の摂取量が顕著に低いことがわかります。また4割近い人がフルーツを食べる習慣自体がなく、200g以上食べる人は18%しかありません。つまり、統計的には8割以上の日本人が「フルーツの食べなさすぎである」と言えます。

(画像:筆者作成)
(画像:筆者提供)

平均的な日本人にとっては、フルーツの食べなさ過ぎが問題であることは上述しました。では、健常者についての、1日当たりの食べすぎの研究はあるのでしょうか?

直接ヒトを対象とした医学研究の目的は、主に治療と予防の2つあります。治療は何かの疾患のある方が対象です。また、治療目的では、数日から数週間といった比較的短期間の実験が多いです。

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