「発達障害で親から毎日叱責」彼女が見つけた幸せ 「障がい者向けマッチングアプリ」が導いた出会い

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それに伴い、ADHD以外にうつの症状も出て、具合はどんどんひどくなっていきました。ようやく両親が教師になることを諦めてくれたものの、その頃には就職活動をする気力は残っておらず、仕事を探すことは難しい状況でした。

 当然、恋愛にも前向きにはなれませんでした。出会いがあっても、発達障害を持っていることが負い目になっていたと言います。

その後、アルバイトとして就職し、とある男性と知り合いました。

「その方に『お付き合いしてほしい』と告白された際、うつや障害を持っていることを打ち明けました。『それでも気にしない』と言ってもらえたものの、『何もできない人間だ』と昔から両親に言われてきた言葉が頭を離れず、告白を断ってしまいました」(エミさん)

そして、「男性とお付き合いしたい」という気持ちにもふたをしてしまいました。

障がい者の結婚の実態について情報は乏しい

昨年、軽度知的障害のある女性と健常者のラブストーリー『初恋、ざらり』というドラマが話題となりました。知的障害はなくとも、発達障害を持つ方の生きにくさや恋愛事情についても、メディアでは多く取り上げられています。障がいを持った方々が当事者として発信するようになり、理解は進んだかのように見えます。

しかし、結婚の実態については、いまだ健常者と比べて情報が乏しく簡単ではありません。

データが少し古くなってしまうのですが、内閣府「障害者白書 平成25年度版」によると、身体障害者で配偶者がいる人は60%と健常者に比べても若干多い傾向にありましたが、精神障害者は34.6%、知的障害者ではわずか2.3%です。

健常者・障がい者の配偶者の有無
内閣府「障害者白書 平成25年度版」を基に筆者作成

その結果を受けて、障がい者総合研究所が実施した意識調査によると、障がい者の方で結婚したいと回答したのが66%です。独身障害者の71%は障がいが結婚の支障になると思うと回答しています。

筆者が調べたところ、障がい者の結婚率についての公的な調査はこれしかありませんでした。それだけ情報が乏しいのです。障がいを持つ方が出会い、結婚することはまだまだ難しい現実があるようです。

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