インテルにできて、日本企業に足りない戦略

なぜ従業員にCSRが浸透しないのか

②個々の従業員に対するCSRプログラム

多くの企業は、従業員に対してCSRに関連する何らかのプログラムがある。たとえば、省エネルギー対策や、水使用量の削減、廃棄物の分別など、すでに実施されているものがあるだろう。それらを踏まえたうえで、従業員それぞれの業務に関係するCSRや、サステナビリティの観点からのKPI(重要業績評価指標)と目標の設定が望ましい。

また、CSR・サステナビリティの観点から個々のプログラムを実施し、さまざまなミーティングやクラブ、インフォーマルのグループを設け、従業員からアイデアを吸い上げ、かつ共有する場を作ることも重要だ。

英国の老舗スーパーマーケットのマークス&スペンサー(M&S)は、CSRに関する社内のコミットメントを得るため、企業トップ・取締役・経営陣、そして従業員に対してCSR教育を実施。CSRの理解を深め推進させる仕組みを作り上げている。

M&Sのすべての取締役・経営陣・マネジャーには、「プランA」のターゲットそれぞれに責任が振り分けられ、個人の業績評価と給与に結びついている。店舗の新入社員は、最初の4週間、プランAのトレーニングプログラムを受け、その後5カ月間のOJTを経て、同社のCSR戦略である「プランA」を理解した従業員として認定を受ける。

従業員は、「プランA」の進捗状況や更新情報をイントラネットで確認するとともに、店舗のフロアスタッフであっても、マネジャーから直接指導を受ける体制が整えられている。

筆者は、ロンドン郊外のショッピングモール内にあるM&Sの店舗に何度も取材などで訪問している。店舗でマネジャーから受ける説明やスタッフの対応から「プランA」の教育が従業員へ徹底され、そして日々の業務に統合されていると感じる。

店舗には「プランA」のトレーニングを実施するトレーニング担当者が置かれている。従業員は「プランA」の一部の役割を日々の業務として実施。それぞれが役目を果たすことが、CSR推進につながると理解されている。

従業員が役割を担うことでモチベーションを高める

③CSR戦略形成のための従業員のフィードバックの活用

企業のCSR戦略の向上に関する従業員のアイデアをアンケートやフォーカスグループを通じてシェアすることは、企業と従業員の双方によい影響を与える。たとえば、インテルは従業員からのフィードバックを、以下の5つのルートから受けている。

1.オープンドアポリシー(従業員がいつでも自分たちのフィードバックをすべてのレベルの管理者に伝えることができる)の策定

2.イントラネットの日刊新聞、従業員用のソーシャルメディアプラットフォームに直接フィードバックが可能

3.四半期に1度の全従業員を対象にした面談

4.エグゼクティブ公開討論、ウェブQ&Aセッションの実施

5.年1回、従業員の組織に関する懸念・ニーズを図る「組織健全度調査(OHS)」の実施
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