葬式仏教の誕生 中世の仏教革命 松尾剛次著
日本には約7万6000もの寺院がある。その数はコンビニよりも多いが、一般の人が寺院に行き僧侶に会うのは葬式と法事のときくらいだ。そもそも仏教者は葬儀にかかわるものではなかったという。それが、今や「葬式仏教」と揶揄されるほどに葬儀と密接な関係があるのはなぜか。
庶民の間では風葬、遺棄葬が一般的だった古代、死は穢(けが)れとして忌み嫌われ、僧侶が葬式に従事することははばかられていた。やがて仏教式の葬送を望む人々に対して鎌倉仏教者たちによって行われた革新的な活動が葬式仏教を生んだ、と著者は指摘する。
葬式と墓石を立てる習俗の起源を探りながら、日本が仏教に求めたことと、仏教が果たしたことの意義を探る。
平凡社新書 735円
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