「石丸伸二を支持する人」の熱が冷めてきた事情 小泉純・橋下両氏に並ぶ「SNS時代」のトリックスター

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その後、地方都市の首長として大きな実績を誇る泉氏が、同じ首長だった石丸氏の実績を疑問視して白熱のやり取りを展開したが、両氏がそれぞれ実施した子育て支援策などを巡る論戦は泉氏が圧倒し、石丸氏は言葉に詰まり下を向くケースが多かった。

同番組終了後、泉氏は14日付けのⅩで、開票特番での一連の石丸発言について「(石丸氏が反発する)忖度やおもねるといった問題ではなく、質問にまともに答えず、マウントを取ろうとする姿勢が政治家としてどうか、と問われているのだと思う」と厳しく指摘した。

支えた“選挙の神様”も、「熱狂は一回限り」と喝破

そうした中、石丸氏自身は一連の“問題発言”について「すべてを聞いてもらえば、理解していただけるはず。一部を切り取って批判するのはおかしい」と力説する。ただ、今回の“石丸ショック”を取材したジャーナリストらの多くは「そもそも、発言の一部を切り取ったものを、支持者にSNSで拡散してもらって成功したのが石丸氏なので、まったくの自己矛盾」(夕刊紙幹部)と厳しく指摘する。

今回都知事選で石丸陣営の選対事務局長を務めたのは、永田町で「選挙の神様」との異名も持つ藤川晋之助氏。その藤川氏も13日の朝日新聞のインタビューで石丸氏の選挙手法について、「この手法は1回限りだ。熱はやがて冷める。冷めた目で演説を聴いても『また同じことを』と思うだけ。石丸氏にはブレーンがいない。ブレーンを使って政策を組み立てていかないと続かない」と指摘する。確かに、「選挙後の石丸氏の言動に、熱狂的だった石丸信者の離反も目立つ」(選挙アナリスト)との見方も広がる。

都知事選で石丸氏に煮え湯を飲まされた格好の立憲民主・共産両党の幹部は、こうした目まぐるしい状況変化に、「そもそも、トリックスターとしても小泉氏や橋下氏には遠く及ばない。仮に4年後の都知事選に出馬しても、当選どころか得票も半減するはず」と納得顔だ。ただ「石丸人気の急落に留飲を下げるより、次なる石丸ショックへの対応を検討すべきだ」(同)との指摘も少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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