サンリオ「2代目社長」で上場来高値に達した必然 構造改革で復活、「時価総額1兆円」も射程圏?
今後の成長に向けては、グローバル展開を加速させる。
インドなどサンリオキャラクターがまだ進出していない地域に進出するほか、マーケティング、ブランディング、営業を連携させる部署を立ち上げ、グローバルでのキャラクターのブランディングをコントロールする。全世界で展開できるライセンシーとも組んでいく方針だ。
キャラクターの活用先の多様化もカギとなる。
例えば新規事業として、幼児向けの英語教材などを展開するエデュテイメント事業を開始。これまでライセンス許諾の形が中心だったゲームは、自社パブリッシングも視野に、国内外のスタジオとの共同開発によって6本以上のリリースを目指す。
ほかにも、アリババグループのアリフィッシュとの共同制作アニメを2025年に公開予定、テーマパークではハーモニーランド(大分県)のエンタメリゾート化も検討している。これまでグッズ中心だった消費者との接点を広げていくことで、収益源を多様化し、IP企業からグローバルエンターテイメント企業へと進化を目指す。
成長に向けて人材確保の課題も
ただし、一朝一夕の進展は難しい。とくに海外や新規事業の拡大には人材面が課題になるだろう。
朋邦社長自身、「グローバルでブランドをコントロールするプロデューサー人材は集めていかないといけない」と指摘する。IP企業がこぞってグローバル展開を目指している環境下、そうした人材は取り合いになる可能性もある。
サンリオは5月に公表した3カ年の中期経営計画で、M&Aや資本提携などに500億円の投資枠を設定しており、外部リソースも活用した機動的な立ち回りが必要となりそうだ。
2023年3月期の本決算後には「時価総額1兆円」という数値目標も掲げた。老舗IP企業からエンタメ会社へと進化を遂げ、株式市場のさらなる期待に応えられるか。ここから2代目社長の真価が問われることになる。
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