「依存症が怖い?」子どものゲームを管理する方法 適切に付き合えばゲームにはプラスの面も

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これについては実験による証拠がいくつかある。

有益な研究の1つが、就寝時間近くに一度テレビやビデオゲームを長時間視聴した後に、青少年の睡眠パターンをモニタリングしたものだ。

その研究では、就寝時間が午後8時半か9時頃の、3つの異なる環境(①メディアにさらされない、②午後6時から7時まで1時間ビデオゲームをする、③午後6時から7時まで1時間のテレビ視聴)の中にいる11人の子どもを追跡した。

その結果、睡眠パターン(継続性、有効性、「睡眠アーキテクチャ」などのような、睡眠の各フェーズにどれだけの時間が費やされるか)が、テレビとビデオゲームの両方の影響を受けることがわかった。

つまり、就寝時間近くにスクリーンを観ることは睡眠の質を悪化させるのだ。

これは、就寝時間近くにテレビやビデオゲームを許したり、子どもの自室にテレビを持たせたりすることについて、ある程度の注意喚起を要するのに十分なエビデンスだろう。

また耳が痛い話だが、大人にも同じことがいえる。

テレビやゲームで遊ぶときは、大人も一緒に

2016年、アメリカ小児科学会はテレビに関するガイドラインを改訂した。

変わった項目の1つとして、「共同」でのメディア消費を奨励するようになったことが挙げられる。基本的なメッセージは、「テレビやビデオゲームやアプリはすべて、子どもと一緒に観たり遊んだりして、子どもと関わり話し合うことで、想像よりはるかに有益なものになる」ということだ。

これに関するエビデンスは多くはないが、論理はわかるだろう。

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『アナと雪の女王2』を子どもと一緒に観ることで、なぜアナが橋を壊す必要があったのかを話し合ったり、(子どもが年長の場合は)エルサがハニーマレンとの恋愛関係に巻き込まれる暗示なのかと分析したりという広がりが増えるかもしれないのだ。

また、アプリ、特に「教育」アプリに関しては、あなたが一緒に取り組んで流れを理解するのを助ければ、お子さんの学びが増えるのは明らかだろう。

まとめると、メディア視聴は子どもにとって“プラス”の側面もある、ということだ。

テレビ、ビデオゲーム、アプリは、すべてが悪いわけではない! わが子とつながり、関心事を共有するきっかけにもなるのだ。

すべてはバランスが大切だ。ただし、寝る前は除いて。

エミリー・オスター ブラウン大学経済学部教授

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Emily Oster

米アイビーリーグの名門校、ブラウン大学経済学部教授。経済学者の両親のもとで育つ。ハーバード大学で統計学を学び、経済学の博士号を取得。開発経済学、医療経済学など幅広い分野の研究成果がメディアで注目され、2007年には有名講演者の登壇するTEDカンファレンスでアフリカのエイズ問題を講演。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス准教授時代の2013年、自身の妊娠出産で検証した客観的なデータをもとに、著書『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』(東洋経済新報社)を刊行、大反響を呼ぶ。夫は同じブラウン大学教授の経済学者ジェシー・シャピロ。2人の子どもと共にロードアイランド州プロビデンスに在住。

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