目黒蓮「世田谷区内の小田急線」がハマる深い理由 SnowManっぽい駅は「新宿」、キンプリとSixTONESは?
本人も「自分は……ずっと日陰にいて」(※4)、「正直、デビューはムリだろうなってずっと思ってました」(※3)、「正直、あの子がデビューできるなんて思ってた人、いないと思うんですよ。それは客観的に見て、自分でも分かる」(※5)という自己評価だったのだ。
『海のはじまり』で目黒が演じる夏は、私大を出て、印刷会社で働くという、その設定だけ言えばどこにでもいそうな一般的な男性だ。特にカリスマ性があるわけではなく、1話で水季(古川琴音)に妊娠を告げられたり、電話でフラれたりしたときの動揺の仕方なども、本当に普通の男子大学生のようだ。
しかし、いまや目黒蓮はスターである。そんなスターが普通の男性を演じられることに卓越した演技力を感じるとともに、この存在感の薄かった時期、誰かを押しのけてまでの強さがなかった時期に培ったものが、いまも目黒の中に引き出しとしてあり、時折顔を出すからこそ、ハマっている役のようにも感じるのである。
“小田急線”を経由して“新宿”にやってきた目黒蓮。繁華街でありながら落ち着く雰囲気が残っているのも魅力のひとつなのだ。
震える字で「デビューしたい」と書いた
2話では、目黒演じる夏について、
「言葉にするのが苦手な子だから。でもなんも考えてないんじゃないの」
「考えすぎちゃって、言葉になるのが人より遅いだけだもんね」
と両親が会話するシーンがある。
この夏の人物造形には目黒と重なる部分がある。かつての目黒を、存在感が薄く、誰かを押しのける強さはないと先述したが、それは意志がなかった・考えてこなかったということではない。
19歳の頃、「このままじゃダメだ」と感じた目黒は、「光が見えてなかったら辞めようってリミットを決めました」と、2年後をタイムリミットにしていたという。そして、「やりたいことはやりたいと口に出す。失礼かもしれないとか思わないで、まずは意思表示する」(※3)と決意する。まさに、人より遅めに言葉にし始めた瞬間だ。
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