できる人は、摩擦を恐れず「なぜ?」と問う 危険!「思考逃避」という落とし穴(下)

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さらに言えば、あなたの「なぜ」から生まれた顧客企業との意見交換の中で、その顧客企業のリクエスト自体も、やや的外れだったということが判明するかもしれないのです。

あなたが上司の立場だったら、顧客企業のニーズをそのまま伝えてきたAさんに対して、「Xがよいに決まっている」などと言わないで、「なぜ顧客企業は、そのようなニーズを感じたのか」と問い直してみるということも、その後の議論を深めるうえで有効でしょう。

ここで大切なのは、先輩・上司・顧客の言うことに対して、言われたことをそのまま鵜呑みにして摩擦をなくそうと思考逃避するのではなく、「なぜ」と自問できるように訓練を積んでいくことなのです。

「教えない大学」とは?

――なるほど、それが「言われたことを鵜呑みにしない」ということなのですね。よくわかりました。……ですが、通常のインタビューと違っていろいろと試されるような逆質問を受けて、いつもの倍、疲れました……。

実はこれが、BBT大学で大切にしているやり方なのです。われわれの大学のコンセプトは「教えない大学」。つねに、学生自身が「考える」状況をつくることを意図しています。新刊でも、そのような工夫を随所に凝らしたつもりです。

――確かにものすごく、鍛えられそうですね。これからインタビューをまとめなければならないのですが、普段逃避していた思考力を使って疲れたので、帰りの電車で寝ないようにしようと思います(笑)。本日はありがとうございました。

お気をつけて。ありがとうございました。

宇田 左近 ビジネス・ブレークスルー大学経営学部長

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うだ さこん / Uda Sakon

株式会社ビジネス・ブレークスルー取締役、株式会社荏原製作所取締役、原子力損害賠償・廃炉等支援機構参与(東京電力調達委員会委員長)、公益財団法人日米医学医療交流財団理事。東京大学工学部建築学科卒業、同工学系研究科修士課程修了(工学修士)。シカゴ大学経営大学院修了(MBA)。
マッキンゼー・アンド・カンパニー等を経て現職。インフラ系企業の企業変革、および金融機関の企業変革・組織改革に従事。また医療機関における医療経営革新を継続的に支援。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会調査統括等を歴任。

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