「通勤がつらい」会社からの独立目指す人の"盲点" 法的な「労働者」として扱われないこれだけのリスク
保険料については、会社員時代は会社が折半で負担してくれましたが、全額自己負担となります。
また、社会保険に加入できなくなることで影響が大きいのは、やはり病気やケガした場合に所得保障として健康保険から支給される傷病手当金が受けられないことや、出産した場合に産前・産後休業期間の所得保障として健康保険から支給される出産手当金が受給できないことです。傷病手当金は、病気やケガして、会社を休んでいた期間に対して最高1年6カ月間の所得保障として、標準報酬日額(直近12カ月の標準報酬月額を平均した金額÷30)の3分の2の金額が受給できます(なお、「標準報酬月額」の詳細は過去記事『給与が減ったと思ったら「この表」を見よ!』をご覧ください)。
また、出産手当金も産前・産後休業期間中に会社を休んでいた期間に対して、標準報酬日額の3分の2の金額が受給できます。
ライフイベントに対して、十分検討しておくことが必要
ちなみに、雇用保険に加入していれば、育児休業で休んでいた期間に対して、原則男女共に最高2歳まで所得保障として給与の約5割の金額を育児休業給付金として受給することができます。フリーランスの場合は、ケガや病気になってしまった場合や妊娠・出産、育児といったライフイベントに対して、法令上取得できる休業等がなく、またその期間に対する所得保障もないため、この辺りは十分検討しておく必要があります。
さらにフリーランスは、労働者ではないため、労災保険の対象ともなりません。そのため、業務中にケガや病気となっても補償を受けることができませんでした。
ただ、フリーランスが年々増えていく中で、業務そのものは労働者と変わらないような職種もあることから、業務上のケガや病気となるリスクや保護の必要性等を踏まえて、例外的に一部の業種に限り、労災に特別加入することを認めていました。
現在は、自転車配達員や歯科技工士、ITフリーランス等特別加入できる業種が限られていますが、2024年秋からは、業種に限らず、全業種で特別加入ができるようになります。ただし、特別加入は、あくまでもご自身で事前に手続きをする必要があるのでご注意ください。
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