広がる「都市型ワンマン列車」に死角はないのか 長い編成の安全確認や運賃収受、どう対応?
一方、最近は郊外や地方路線でも都市型ワンマン運転を導入する例が目立つ。
例えばJR東北本線の黒磯―新白河間は、2020年3月から5両編成のE531系電車でワンマン運転を開始。2024年3月からは同型車両で常磐線の土浦―水戸間、いわき―原ノ町間でもワンマン運転している。
2022年3月のダイヤ改正では、日光線や宇都宮線(東北本線)宇都宮―黒磯間に新型のE131系を投入してワンマン化。同時に相模線、八高線でも実施した。宇都宮線は、ラッシュ時には6両編成になることもある。2023年3月からは青梅線の青梅―奥多摩間もワンマン化した。いずれも4両編成以上の都市型ワンマンだ。
都市型ワンマン運転に不可欠なものの1つは、ある程度長編成の列車でも運転士1人で乗降などの安全確認ができるための設備である。1~2両程度の列車なら、ホームに設置したミラーで安全確認を行うこともできるが、5両や6両といった長さになると困難だ。一方で、郊外や地方の路線では監視用のカメラなどをすべての駅に取り付けるのは難しい。
側面のカメラが威力発揮
これらの線区で5両や6両といった長編成のワンマン運転を可能にしたのは、車両の側面に設置したカメラだ。ドア付近の映像を運転台に送って乗降の安全を監視することができる。車外カメラを設置した車両は各社に増えており、JR九州も車外カメラを設置した車両で6両編成ワンマン運転を行っているほか、東武鉄道も4両編成のワンマン車両に搭載している。
これまでワンマン運転は2両以下のローカル線のみだったJR東海も、この車側カメラを活用して2025年以降に4両編成での都市型ワンマン運転を導入する。同社は6月、新型車両315系4両編成に、画像認識技術を活用した安全確認支援装置を搭載すると発表した。各車両に前後2台のカメラを設置し、ドアが閉まってから列車に接近した人物を画像認識によって自動で検知、警報音などで運転士に通知する。
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