なりすましの投資詐欺、目の当たりにした手口 オープンチャットには200人近い参加者がいた

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オープンチャットへの誘導用URLをクリックし、招待コードを入力して承認されると、オープンチャットに参加ができるようになりました。オープンチャットの画面左上には、グループ名および参加人数が表示されるのですが、私が参加した時点で、200人近い参加者がいました。

オープンチャットでは、著名人のなりすましアカウントではなく、「●●(著名人の名前)さんのアシスタント」というアカウントが、毎日投資に関する情報をアップしていました。本当に文字通り“毎日”投資に関する情報をアップし続けていました。毎日アップされる投資に関する情報それ自体は、明らかにそれはおかしいだろう、という内容も一部ありましたが、それなりに有用な内容のほうが多かったです。

このように、オープンチャットに誘導してすぐに投資を持ちかけるのではなく、一定の期間有用な投資情報を提供し続けるのは、オープンチャット参加者にその主催者を信頼させて、その後の投資を持ちかける話を信じさせやすくするためだと思われます。

「ネガティブな発言」は即削除

アシスタントを名乗るアカウントだけでなく、たまに著名人のなりすましアカウントもオープンチャットに参加し、発言をします。さらに、その発言に対して、オープンチャット参加者が「素晴らしくわかりやすい解説、ありがとうございます」「先生の指示を受けてすぐ投資できるよう、●●●万円を用意しました」「私は先生の前回の指示を受けて●●●万円利益を得ました」等の発言を繰り返していました。

このようなやり取りは、「他の参加者がこれだけ信用して褒めたたえているし、実際に成果を出している参加者もいるし、大丈夫なのだろう」と、オープンチャット参加者にその主催者を信頼させるためのサクラがほとんどだと思われます。なお、一部の参加者の発言内容に、翻訳サービスを利用したような堅苦しい日本語のものがあり、日本人でない人がサクラとしてオープンチャットで発言しているのかな、という印象を持ちました。

また、あるアカウントが「これって詐欺じゃないの?」と書き込むことが複数回あったのですが、このようなネガティブな発言は、数分~数十分で削除されていました。参加者が疑いを持たないよう、オープンチャット内の発言に対する監視が徹底されているようでした。

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