TOPIXは日経平均より魅力的になるかもしれない 今回の東証TOPIX改革は「ビッグサプライズ」だ

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要は、2025年1月以降、TOPIXはどんなユニバ―スになるか明確に決まってなかったのだ。いろいろと議論した結果、やっと今回「第2弾」が出てきた。まだ先の話なので、あまり気にしていない市場関係者も多いが、私はこの変化は大きなサプライズだと思っている。

というのも、個人的にも「東証プライム市場に上場している全銘柄でインデックスを作るといった可能性はそれなりにあったはずだが、それをやるとまたプライム市場にどんどん銘柄が集中するだけでなく、簡単に対象から外されないので、結局時価総額が小さい銘柄が多く含まれるインデックスになるのでは?」と懸念していたからだ。

だが、今回公表された「第2弾」のルールでは、TOPIXから時価総額の小さい銘柄が大きく減らされることとなり、国内外の投資家から評価される画期的な内容となった。

「次期TOPIXルール」の詳細とは?

現行TOPIXから2028年10月の次期TOPIXへ向けた「第2弾」のルール変更を確認しよう。それぞれ詳細は以下の3つのポイントがある。

まず対象市場。今後はプライム市場だけでなく、スタンダード市場やグロース市場の銘柄でも時価総額が大きくなれば、TOPIXの銘柄として認めてもらえる。上位96%近辺の銘柄だと、企業は頑張ろう!というインセンティブが湧く。

今後は必然的に、相対的に努力を怠っているTOPIXの下位銘柄と、時価総額が小さくても頑張っているスタンダードとグロース市場の上位銘柄との戦いになる。いわゆる競争原理が働くことは、大きく市場の活性化につながる。日本経済そのものの活性化に大きく寄与すると思う。

2つ目は選定基準だ。その基準は2つ。今後のTOPIXは「年間売買代金回転率20%以上(実際には、上場全銘柄でこの基準を満たさない銘柄はほとんどない)」と「浮動株時価総額(の累積比率が)上位96%以内」の条件を満たした銘柄で構成するインデックスになる。

3つ目は定期入れ替えだ。定期入れ替えは10月の最終営業日で、8月のデータを使って10月に入れ替える。今までのTOPIXは、一度旧東証1部に入れば、ほとんど対象から外れることはなく地位がほぼ確保され、安住できた。だが、これからは上位96%に入らないと、すぐに追い出される。

ただし、あまり出入りが頻繁にならないように、「入る基準」の「上位96%以内」に対して、「継続基準」は「上位97%以内」と少しだけ緩くしている。

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