アップルのサポート、評価が「両極端」なワケ 愛好家が高い評点を付けるとは限らない
この種のサポートで満足度を上げるには、「いかに症例を切り分けるか」「問題解決が難しい場合、いかにすみやかに上位の担当者へとエスカレーションするか」が重要だ。
ここの最適化がうまくいくと、全体負担が減り、トータルでの満足度が上がる傾向になる。サポートスタッフが皆ハイレベルであれば、こうした対応は容易に実現しうるのだが、世の中そうそう上手くはいかない。
ライトな人々だけを重視して大丈夫?
思うに、アップルが採っているような策は属人性が低く、日本メーカーが採っている策は属人性が高いのだ。本来は、「シンプルな判断にハイレベルなサポートスキル」の組み合わせが望ましいが、それが容易にはかなわない以上、とりあえず、「できる限り多くのサポート対象顧客を待たせない」方に振る……ということなのだろうと判断している。
全体最適型のサポートコストは、もう割に合わないのだろう。そろそろどこかで「受益者負担の原則」を導入しないと、より不公平感が強くなるし、サポートを受ける人も快適な体験をするのが難しくなる。
かといって、ライトな人々だけを重視し続けると、トラブルを抱えた「本当に深刻な人」を満足させられなくなる。特に今後は、SIMフリースマホやMVNOなどで、コストに応じたサポートが必須のものとなる。
どうにも隔靴掻痒で、きれいにまとまる答えはない。だが少なくとも、「シンプルにできるところはシンプルに答える」というあり方は、もっと日本の企業にもひろがって欲しい、と筆者は考えている。
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