アップルのサポート、評価が「両極端」なワケ 愛好家が高い評点を付けるとは限らない

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こうした体制のサポートでは、まず状況を細かく聞かれる。自分の症例にはあまり関係ないだろう、と思われる部分についてもだ。交換などについては軽々に判断しない。その場で解決できる方法がないか確認したのち、改めて交換や修理のステップを踏む。時間がかかるだけでなく、機器の送付に手間が掛かる場合も多い。

一方で、難しい問題に直面した場合にも、その場である程度状況を切り分けた上で、本当に対処が難しいものは、より上位のスキルを持つ担当者へと引き継ぎ、解決を図る。難しい問題も解決の可能性が高まるわけだ。

筆者が体験した例を挙げよう。ある日、自宅のネット回線が不調になり、間欠的に切れるようになった。いくつかチェックしたのち、ISP(インターネットサービスプロバイダー)へ問い合わせの連絡をした。

スタッフの技量いかんで、まったく違う状況に

ISPのサポート担当者は、当然まずは基本的な設定をうたがう。だが、そこは事前に切り分けていることを伝えると、「では、より専門性の高いサポートができるものに変わります」といい、担当者が切り替わった。出てきた担当者は、今度は相当に技術がわかる人のようだ。こちらの状況を伝えると、いくつか専門的な設定と数値の状況を確認し、「自社側のトラブルの可能性があるので、確認の上折り返させてほしい」と言われた。

その通りにすると、実際のところ、先方でのトラブルが発見されたようで、15分から20分後には、解決した旨の電話連絡があった。トータルでは30分程度の対話だったが、どこにもよどみがなく、不快な部分がなかった、と感じたものだ。

だが、また別の日にサポートを依頼した時は、状況がまったく異なっていた。まず、最初の担当者が同じことを何度も確認する。マニュアルで「この部分をこう聞きなさい」と指示されている内容を、愚直に繰り返しているようだ。その後、技術担当に代わった後にも、こちらの情報がきちんと引き継がれていなかったらしく、再び同じ説明を繰り返すことになった。結果的に問題は解決したのだが、前回とは打って変わって、あまり快適な体験ではなかった。

違いは、前段を担当したスタッフの技量にある。技量が未熟なスタッフが「できるだけ自分のところで解決しよう」として果たせなかった結果、時間を無駄にして不快な思いをさせたわけだ。

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