京成電鉄、物言う株主の提案に賛成30%弱の意味 オリエンタルランド株の売却迫る提案は否決

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パリサーの提案は定款の変更を求める特別決議であるため、出席株主の3分の2以上の賛成が必要だった。そこまで達しなくても、仮に過半数の賛同を得られれば、来年の株主総会につなげることができた。取締役選任案であれば50%超の賛成で通せるため、自らが推す取締役を送り込める。

しかし、前出の市場関係者は次のように指摘する。「何にも届かなかったということ。株主は京成電鉄側の経営方針でOKだと判断した。(京成電鉄が保有するOLC株の時価総額)1兆円超に群がる株主は、3割弱しかいなかったということだ」。

今年の総会は株主の関心も高かった。総会開始の午前10時前。多くの人が会場に詰めかける中、ある女性株主は明言した。「株主提案に対する経営者の答弁を聞きに来た」。

一方、20年以上にわたり京成電鉄株を保有するという男性は、「株主提案には反対だね。それで企業価値が向上するとは思わない」と語った。

親子同然のOLCに株主も親近感か

パリサーの提案が多くの株主から支持を得られなかった背景には、京成電鉄とOLCの長年の「親子関係」が影響していると見られる。

京成電鉄はディズニーランドが位置する千葉県浦安を通る鉄道を運行していないものの、1960年に当時の社長らの提案でテーマパークの建設を目指してOLCを設立した経緯がある。

以来、60年以上にわたり筆頭株主として同社株を保有。現在は子会社ではなく持ち分適用会社となっているが、京成電鉄の株主の間には今なおOLCに親近感を持つ人が多いようだ。

ところが、京成電鉄の時価総額約8900億円に対して、OLCの時価総額は約8.2兆円(ともに6月27日時点)。京成電鉄が持つOLC株の時価は、京成電鉄の時価総額を2倍近く上回ることになる。

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