「御社の株を(周囲に)すごく勧めた。配当性向は50%だし、年4回も配当がある。定期預金や訳のわからないファンドをやるくらいなら、あおぞら銀行の株を買ったほうがいいぞ、と」
ある株主は憤懣やるかたない様子で切り出した。6月25日、都内で開かれたあおぞら銀行の株主総会。アメリカ不動産向け融資の引き当てなどが原因で、2024年3月期決算が15年ぶりの最終赤字に沈む中、会場にはどんよりとした雰囲気が漂っていた。
株主から厳しい声が上がったのは、赤字決算によって下期の配当が「0円」になったことだ。高配当を個人投資家に訴求する戦略の「減配リスク」があらわになった。
「新NISA」にも波及
「減配となったことを、改めてお詫び申し上げる」。4月に就任した大見秀人社長は頭を下げた。
冒頭の発言通り、あおぞら銀行の特色は四半期配当にある。配当性向も高く、インカムゲインを享受したい個人投資家からの支持が厚かった。
会社側は当初、2024年3月期の配当予想を第1四半期から第3四半期までは38円、第4四半期は40円の計154円と計画していた。だが、1月末に赤字決算の見通しを発表すると、第3、第4四半期の配当を「0円」に引き下げた。会社側は上期の配当実績をもって「減配」と表現する一方、株主は「無配だ」と非難した。
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