ギリシャ離脱か残留か、悲劇は最終幕へ

猶予は72時間、歯車一つの狂いも許されない

この点、ギリシャ側が新たに提案した財政再建策は、幾つかの点で6月末時点の債権者側の要求を満たしていない。従来よりも大規模な金融支援が必要となったことで、ギリシャ側に要求される改革もさらに踏み込んだものとなる訳だ。

金額の溝以上に深刻なのが、度重なる金融支援とギリシャの改革不実行、さらには新政権が誕生した後の対決姿勢がもたらしたギリシャに対する債権者の不信感だ。債権者側が出した結論は、ギリシャが3日以内にさらに踏み込んだ改革関連法案を議会で可決しない限り支援交渉は開始しない、それが出来なければユーロ離脱の可能性も排除しないとの厳しいものだった。

20日にECB(欧州中央銀行)が保有する国債35億ユーロの償還期限が迫っており、12日に基本合意の青写真が崩れたことで、今後のスケジュールはさらにタイトとなった。15日夜までにギリシャ議会が税制変更や年金改革などの6つの法案を可決すれば、16日にドイツ議会を緊急招集して支援協議の再開を承認、17~19日の間にユーロ圏財務相会合を再び開き、当面必要な資金支援を決定する。

ギリシャ支援に否定的な国が多い

IMF(国際通貨基金)への滞納金の返済やECBが保有する国債の償還費用に充てるため、7月20日までに70億ユーロ程度、8月中旬までにさらに50億ユーロ程度の資金が必要とみられている。ギリシャ政府が求めている債務軽減措置は当面の支援策に盛り込まれず、今後の改革の実行状況をみて判断する。その場合も、元本削減(ヘアカット)が行われることはなく、利払いの猶予期間や融資の返済期間の延長などが検討されることになる。

ギリシャ支援合意に懐疑的な国の急先鋒はドイツやフィンランドなどと見られている。ドイツではギリシャ支援に対する国内世論の反発が高まっており、メルケル政権を支える二大政党の議員からも支援継続に厳しい意見が相次いでいる。フィンランドはこれまでもギリシャ支援に懐疑的な国の一つだが(例えば同国は二次支援に参加する見返りに融資の返済を確実にする担保を要求した)、今年4月の総選挙でギリシャ支援に懐疑的なフィンランド人党が政権入りしたことも、同国の厳しい態度に影響している可能性がある。このほかにも、ギリシャよりも一人当たり所得の低い中東欧やバルト諸国からは、ギリシャ支援に否定的な声が目立つ。

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