ギリシャ、「チプラス新提案」の特徴とは? 何がどう変わったのか、中身をチェック
[ロイター] - ギリシャのアレクシス・チプラス首相は9日木曜日、3年間の金融支援を引き換えとした新たな改革案を提案した。ギリシャに対する緊急援助策を4カ月間延長するために債権団が6月25日に提案した条件を拒否することで、ギリシャ国民が彼の背中を押した国民投票からわずか4日後、いったいどのような条件を出したのだろうか。
内容はほとんど同じ
チプラス首相の提案の多くは、実は、6月25日に提案された内容とほとんど同じだ。以下に重要な分野を選んで比較してみよう。
基礎的財政収支の黒字化目標 6月25日: 2015年、2016年、2017年、2018年にそれぞれ1、2、3、3.5%のプライマリーバランスの黒字化を実現。 7月9日: 同一内容。ただし、2018年の3.5%の黒字化への道筋は、各機関との協議の上で決定するとしている。 付加価値税 6月25日: レストランおよびホテルに23%の付加価値税を課税。 7月9日: レストランに対し23%、ホテルに13%の付加価値税を課税 (ホテルの税率は6月26日の欧州委員会の提案と同じ)。 島嶼部優遇策 6月25日: 島嶼部に対する税制優遇策を完全撤廃 7月9日: 島嶼部の税制優遇策の撤廃を「最遠隔地を除く、比較的所得が高い最も有名な観光地の島々から開始」。 年金 6月25日: 早期退職の縮小や、2022年までに年金支給開始年齢を67歳に引き上げる案などを含め、ほぼ同じ。ただし、低所得年金受給者向けの追加手当て (EKAS) の2019年末までの段階的廃止に関しては、7月9日の案では、EKAS受給者の上位20%向けの支給廃止を、即時ではなく2016年3月からとしている。来年からGDPの1%を節約するために、年金を削減。 7月9日: 同じ。 法人税 6月25日: 26%から28%に増税。 7月9日: 2016年に26%から28%に増税。 防衛費 6月25日: 人件費および調達費の削減を目標とする取り組みにより、軍事支出を最大4億ユーロ削減。 7月9日: 人件費および調達費を削減することで、2015年に最大1億ユーロ削減、2016年に最大2億ユーロ削減。 労働市場 6月25日: 団体交渉制度や労働争議制度を、ILOと共にヨーロッパの最優良事例に則して見直し。 7月9日: 同じ。 民営化 6月25日: 2015年、2016年、2017年にそれぞれ14億、37億、12億ユーロの資金を調達するために売却。国の民営化基金が保有する全資産を売却し、OTEテレコムの株式を基金に譲渡。 7月9日: 収益額の目標額に関する言及はなし。ただし、民営化基金の全資産は売却し、OTEテレコム株式を基金に譲渡。(記者: Alexander Saeedy; 編集: Alastair Macdonald、Catherine Evans)
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