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日本の海外支援、「都市鉄道」こそ強みが生かせる ジャカルタ地下鉄が日本式を広める「先生」に

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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一方で、コミュニケーションだけにしておくと、担当者が変われば話も変わってくる可能性もある。そこで紙にまとめておいたほうがいいかと思ったわけだ。その時、フランスも関心を持ちそうとか、KfWもいるとか、話をしておかないと後から入りたいと言われても困ってしまうので、最初から巻き込もうと。

ADB(アジア開発銀行)は、自分たちは協調融資することになっているから入る必要はないということで、UKEF、EIB、AfD、KfWと覚書を結んで、MRT東西線については日本の技術でやっていきましょうと。JICA以外は高架の土木、そこに限定して協調融資していきましょう、そういった覚書を2023年の5月に結んだ。

オールジャパンから「コアジャパン」へ

――高架の土木というのは、フェーズ2より先のものですか。また、今回(フェーズ1)の借款、約1400億円はSTEPですが、これに高架の部分は入っていないのですね。

やすい・たけひろ/1969年石川県生まれ。東京大学法学部卒。海外経済協力基金(OECF)東南アジア部インドネシア課、財務省国際局、国際協力銀行(JBIC)開発業務部、国際協力機構(JICA)インドネシア事務所次長、トルコ事務所長、東南アジア・大洋州部次長などを経て2022年より現職(筆者撮影)

安井:フェーズ1も含めて。フェーズ1、2という書き方はしていない。(今回の約1400億円に)高架の部分は入っていない。今回の場合、高架の部分はADBが基本的にやることになる。

――すると、日本企業による建設は地下の部分だけですか。

安井:地下のところだけだ。高架工事の場合、STEP条件の30%の(日本産品)調達比率を維持するために、ローカルで調達できる分も日本から持ってこなくてはならなくなってしまう。フェーズ2は全線が高架になるので、これを含めてSTEPにすると、30%の日本調達比率を無理に大きくしなければならなくなる。

軌道とか、信号とか、システムなどは日本から持ってくるが、これに加えて土木もということになると、無理が生じてしまう。いずれにしてもSTEPでは高架土木については難しいところがある。そうすると、協調融資でうまくシェアできればわれわれとしてもありがたい。

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