「快進撃」インドネシア高速鉄道、延伸計画の行方 経済急成長で「待ったなし」、資金調達には課題

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インドネシア高速鉄道
バンドン側のターミナル、テガルアール駅を出発したハリム(ジャカルタ)行きの高速鉄道(筆者撮影)
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2023年10月18日から商用運転を開始したインドネシア、ジャカルタ―バンドン高速鉄道の快進撃が止まらない。前評判とは裏腹に平均乗車率は9割を超え、12月までの総利用者数は100万人を突破した。

利用者数の増加に合わせて運行本数も増発が続き、年末時点で1日24往復にまで拡大した。11月に開催されたFIFA U-17ワールドカップの観客輸送にも一役買っており、バンドン側終点のテガルアール駅から会場の1つであるシ・ジャラック・ハルパットスタジアムまで無料のシャトルバスを走らせ、ジャカルタからの日帰りを可能にした。

在留邦人にとっても、ビジネスに観光に、さっそく欠かせない足になっており、「新幹線より速くて揺れない」「静か」と、インドネシア人の同様のコメントが決してお世辞でないという驚きの声があふれている。人口260万人を超えるバンドンと首都ジャカルタが1時間弱で結ばれたインパクトは大きく、もはや開業フィーバーという状況は過ぎたといっていいだろう。利用者の約半数はマイカーからの転移であるという統計も出ている。

インドネシアは「日本の高度成長期」

開業前には、多額のコスト、そして民間プロジェクトとしての約束を反故にした国費投入など、メディアから批判の対象になることもあったが、反対の声を上げていた記者たちも、いざ高速鉄道に乗ってしまえば、「東南アジアで初めて高速鉄道を持てたことを誇りに思う」と口を揃え、それまでの舌鋒鋭さはどこへやら、すっかり高速鉄道に“飼いならされて”いる状態だ。また、インドネシア外務省は2024年の年始会見をバンドンで開催予定で、各国の大使が高速鉄道に乗車し、高い完成度を引き続き世界にアピールすることになりそうだ。

テガルアール駅 高速鉄道
高速鉄道テガルアール駅に停車中の列車。ホーム上は多くの乗客でにぎわう(筆者撮影)
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