内向的な子に「やってごらん」より大事なこと 子どもの性質を確認、短所と誤解しないように

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

●責任感がある

自分のことは自分で決めたいと思っています。決めたら納得するまでやり抜きます。芯が強く、流されず、妥協しません。人当たりがよいほうではありませんが、裏表のない誠実さから周りに信頼されます。

●葛藤する力がある

葛藤というのは、何か2つ以上の大切で譲れないことがあるときに、悩んで考えることをいいます。葛藤するためには、2つ以上のことを抱えて考えるだけの内面の容量が必要です。

内面に十分な余裕がなくて葛藤できないと、安易に楽なほうを選んだり、他の人の意見に流されたりします。

【HSC型のいいところ】

●人の気持ちがわかる

人の気持ちを理解するのが得意です。「相手がどのような気持ちでいるのか」「笑顔だけど心配事があるようだ」「顔にはだしていないが何か怒っているようだ」など、隠された気持ちや複雑な気持ちに気づきます。

人の気持ちを理解する力は、ひとりの人に対してだけでなく、グループやクラスなど集団に対しても発揮されます。

●思いやりがある

相手の気持ちに共感することができます。自然と相手を気遣い、困っていたら助けようとしたり、思いやりのある言動をします。

●洞察力がある

一を聞いて十を知る洞察力があります。また、嘘を見抜く力もあります。表面的なことだけでよしとせず、物事の本質は何かを理解しようと努めます。

●感受性の高さと想像力

感受性が高く、想像力が豊かです。日常生活の小さなことにも喜びを見つけます。また、文学や音楽、芸術に触れて感動でき、想像力を使って自分も表現してみたいと願います。

内向的でもちゃんと自信を持っている

子どもの年齢によっては、長所はまだうまく発揮されず、内気で頑固、人の気持ちに影響を受けやすいといった短所に目がいきやすいかもしれません。

声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力
『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

しかし、子どもの性質を短所と誤解して直そうとすると、可能性を潰してしまう危険があるので注意が必要です。

また、内向型・HSC型ともに自信がないと誤解されやすいですが、そんなことはありません。自信満々な態度を見せないので気づかれにくいですが、ちゃんと自信を持っていますから安心してください。

内向型もHSC型の子どもも、とてもいい持ち味があるので、その性質を肯定して育ててあげることが大切です。

吉田 美智子 臨床心理士・公認心理師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よしだ みちこ / Michiko Yoshida

はこにわサロン東京・代表。

外資系企業勤務後、心理臨床の道を志す。臨床心理士の資格取得後は、東京都・神奈川県・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年はこにわサロン東京を開室。主な技法は、ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析。子育ての相談、親子関係、トラウマケア、ストレスケア、アンガーマネジメントなどの相談に携わる。

日本経済新聞・読売新聞・日経クロスウーマンなどに寄稿し、メディアでも活躍中。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事