やっぱりあの鉄道が日本一の「海路線」だった これが海を臨む日本の車窓ベスト10だ

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第8位:肥薩おれんじ鉄道~八代海、天草灘

グルメ列車の先駆者であるのが、九州の肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」。食事をしながらの列車旅は極上のひとときを演出してくれる。もっとも、普通の列車に乗っても、八代海や天草灘の地形を忠実にたどる線路からの眺め、とりわけ夕日は何度通っても飽きることがない。

海岸線を走る列車といえば、波打ち際ぎりぎりのところを走る路線が多く、目線がかなり低くなっている。そんな「常識」を破った路線が四国の土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線だ。

窓のない展望通路のあるユニークな列車

第9位:土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線~太平洋

太平洋の海岸線近くを高架で走るのが実に斬新である。やや海を見下ろすように走る列車。

しかも、ホテルやマンションのベランダのように列車のサイドに設置された窓のない展望通路があるオープンデッキ車両がユニークだ。

「やたろう」「しんたろう」という愛称付きの列車で、潮風を直接浴びながらの旅は新鮮そのものだ。各駅に立っているオリジナルキャラクターも楽しい。

第10位:釧網本線~オホーツク海

日本を取り巻く海で忘れていたのがオホーツク海だ。北海道の北東部の海岸線で、かつてはいくつものローカル線が沿岸を走っていた。そのほとんどが廃止され、今残っているのは釧網本線の網走~知床斜里間のみである。幸い原生花園や北浜あたりの情景は、天候がよくない日には寂寥感溢れた独特の情緒を醸し出し、最果ての旅情を味わうには捨てがたい魅力となる。

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わが国は、四方を海に囲まれた島国であるので、海岸線の車窓には事欠かない。他にも忘れがたい車窓は多々あるのだが、今回は以上をベスト10としたい。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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