撮り鉄といえば、撮影がメインの鉄道趣味だし、乗り鉄、模型鉄は、字面どおり、乗るのが趣味、鉄道模型が趣味ということである。そんな○○鉄の中に、ちょっとほかとは様子の異なるものがある。それは女子鉄である。「鉄道の好きな女性」を差す言葉だ。
ほかの○○鉄という単語が、「○○がメインの鉄道趣味」と解釈できるのに対して、女子鉄にはこの仕組みが応用できない。「女性を追いかけるのがメインの鉄道趣味です!」と言ったら、それはただの変質者だ。
女性というだけで「ひとくくり」にされる
世間ではしきりに男女平等が叫ばれ続けている。仕事に関して言うと、私の実感では、業務における性差はほとんどない気がする。むしろ、鉄道趣味に根強い性差を感じてしまう。
元来、鉄道趣味は男性が主流であると言われている。「男性が主流」という先入観から、関心があってもその世界に飛び込めない女性がおり、結果として男性ばかりがこの趣味に身を投じているという、不幸な循環も多分にあるだろう。
私は大学時代、鉄道研究会に所属していた。卒業後はOB・OG会に所属しているが、80年以上の歴史を誇る数百人規模の団体であるにもかかわらず、女性の先輩は2人しかいない。諸先輩方に話を伺うと、鉄道研究会に入りたい女性がいても、どうしたらいいのかわからずお断りしていた時期もあったとのことである。
話を元に戻す。鉄道が趣味ではない人にとっては「鉄道」でひとくくりにされる鉄道趣味も、枝葉は細かくわかれている。もちろん、異なる鉄道趣味間を行き来する人のほうが多いだろうが、趣味対象に重なりがなければ、会話がうまくかみ合わないこともある。
前述のOB・OG会の懇親会に参加した際に、大先輩から「君の好きな機関車は何かな?」と聞かれたので「EF81(電気機関車の形式)が好きです!」と答えたところ、実はその方の質問の意図は「君の好きな蒸気機関車は何かな?」というものだったといった、いわゆる世代による趣味の違いを感じたこともある。それ以外にも、地域別、会社別に細かく分かれているので、なかなか「ぴったり同じ鉄道趣味の人」に出会えなかったりする。
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