日本海が続いたので、目を転じて太平洋へ。こちら側でのおススメは紀勢本線だ。
和歌山から三重県にかけて、海の表情が刻々と変わっていくところが見どころだ。和歌山から乗っていくと、広々とした大海原が一望できる区間(御坊~紀伊田辺)、奇岩が続く区間(周参見~串本間の枯木灘)、入り組んだ湾を望む山間部(熊野~尾鷲)などなど、目まぐるしく入れ替わる海の情景に休む暇もない程だ。
日本海、太平洋に続いては瀬戸内海の車窓だ。どこにしようか迷うところだが、呉線を挙げておこう。
特に忠海から三原にかけての車窓が秀逸だ。各駅停車だとロングシートにあたることもあり旅情を感じないので、週末に走る観光列車「瀬戸内マリンビュー」の指定席を予約しておきたい。海を向いた座席や船を思わせる丸い窓から海を眺めると雰囲気が変わって楽しくなる。
瀬戸内海は海を横断できる路線がある
瀬戸内海に限っては、海沿いに走る車窓だけではなく、海を横断する路線があるのがよい。
言わずと知れた瀬戸大橋線だ。トラス橋なので、鉄骨がやや目障りだが、列車から眺める島々や行きかう船、それに窓下に広がる海の様子もスリリングだ。
夏は夜明けの時間とはややタイミングがずれてしまうが、数少ない寝台列車「サンライズ瀬戸」が、ここを朝通過するので、寝台車から朝の瀬戸内海を眺めてみたい。
ここまで取り上げてきた路線は、すべてJRであったので、目を第三セクター鉄道に転じてみよう。
まずは、震災からの復興支援ということもあって三陸鉄道を挙げたい。比較的新しい鉄道ということもあってトンネルが多いけれど、その間から眺めるリアス式海岸は絶景の名に恥じないものだ。
北リアス線、南リアス線甲乙つけがたいが、観光列車や人気だった朝ドラ「あまちゃん」ゆかりの路線でなじみがあるのは北リアス線だろうか。絶景ポイントで徐行運転するのは、今や各地の観光列車の定番となった感じである。
続いては、のと鉄道。比較的地味な路線だったが、北陸新幹線開業、朝ドラ「まれ」の舞台が能登であること、能登が注目を集め出したので新規に登場した観光列車「のと里山里海号」と話題に事欠かない。路線の半分以上が廃止となり、沈滞気味だっただけに応援したい鉄道だ。
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