釧路湿原の大量メガソーラーに土地買取で対抗 原野商法で取得した土地「手放したい」人々も

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照井さんに、どうやって取得可能な土地を見つけたのか尋ねると、「不動産会社が出している情報を見ました」という。照井さんは同様の方法で2023年3月にもNPO法人の会計から2カ所の土地を購入し、2024年4月、トラストサルン釧路に寄贈している。

釧路湿原に生息し、動いても100メートルという限られた範囲で一生を過ごすキタサンショウウオ。ヨシに抱きつくオス。左側はメスが産み付けた卵のう。光を当てると青白く輝き、「湿原のサファイア」と呼ばれる(写真提供:照井滋晴さん)

原野商法で取得した土地を手放したい、という地権者

不動産会社のハウスドゥ!釧路中央店(株式会社アースハウス)の店長、佐伯友哉さん(31歳)は、2年ほど前に入社し、不動産の仕事を始めるにあたってさまざまな人々に話を聞き回った。親戚の人を訪ねた時、経済価値のない原野を所有しているがどうにかしたい、という相談を受けた。

「価値がないことはわかっていましたが、売り出してみようと、ダメ元で売地として並べました。そうしたら、『ほかの不動産屋さんで断られたけど、扱ってもらえませんか』といった土地所有者からの連絡が入るようになりました」(佐伯さん)。通常、原野など経済価値の乏しい土地は扱わない不動産屋が多い。

原野商法の舞台の1つとなった釧路湿原。約40年前に土地を購入した人、あるいは土地を購入した親から相続した土地を手放したい、と思う人は多いようだ。照井さんが最近、取得した土地の元持ち主も、そのような人たちだった。

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