そして、再び南栗橋駅に。
「やっぱり都心から来る通勤電車の終点ですからね。駅に着いたら折り返しの車内点検もしています。忘れ物も結構多いですし、夜になると寝ている方も……。運転上の拠点ですから、いろいろなことがあります。車両基地のほかにも乗務員の詰め所もありますから、南栗橋駅を利用している人の多くは、実は東武鉄道の社員であることも……。ですが、駅の周りの開発が進んでいるので、これからに期待ですね」(神山駅長)
なお、南栗橋駅はあくまでも日光線の途中駅の1つ。たまたま運転上の終点になっているだけだ。ところが、この駅の構内にゼロキロポストが置かれているのだという。いったい、何のため?
「研修のための訓練線が設けられていて、そのゼロキロポストなんです。東口を出て、少し線路沿いを歩いていただくとフェンスの向こうに見ることができますよ」(神山駅長)
首都圏の発展が凝縮
ちなみに、南栗橋駅と杉戸高野台駅、つまりいちばん歴史の古い幸手駅以外の“ニュータウン”2駅には、通勤時間帯に特急が停車する。このあたりは、ベッドタウンとしての進化の帰結ということなのだろうか。
改めて、杉戸高野台駅から電車に乗ってみる。古い団地も見える車窓はすぐに田園地帯に移り、古い宿場にルーツを持つ小都市・幸手の市街地へ。そして再び田園地帯を抜けたと思ったら、目下開発のただ中という先進的な住宅地。東京都心から離れれば離れるほど開発の時期も遅くなる。それが、このグラデーションを生んでいるのだろう。
ともすれば、神山駅長が管理するこの3駅は、首都圏の発展が凝縮されたような区間と言えるのかもしれない。
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