欧州委、中国製EVに対し「最大38.1%」の追加関税 テスラやBMWなど外資系の中国工場製も対象に

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中国のEVメーカーにとって、ヨーロッパは現時点で最大の輸出先である。中国海関総署(税関)のデータによれば、2023年に中国からEUに輸出されたEVは48万2000台(中古車を含む)に上り、EVの総輸出台数の45.1%を占めた。

EUは中国との関係をめぐって難しい判断を迫られている。写真は2023年12月に北京で習近平・国家主席と会談したEUのミシェル大統領と欧州委のフォンデアライエン委員長(欧州委のウェブサイトより)

今回の追加関税が、EU域内における中国製EVの販売に大きな打撃を与えるのは確実だ。ただし、その被害者は中国メーカーだけとは限らない。

と言うのも、追加関税の対象には中国メーカー製のEVだけでなく、外資系メーカーが中国工場で生産したEVも含まれているからだ。欧州委が公表した反補助金調査に協力しているメーカーのリストには、テスラ、BMW、ルノー、ステランティスなどの中国法人や合弁会社の社名が並ぶ。

欧州メーカーから批判の声も

実は、中国製EVをヨーロッパに最も多く輸出しているメーカーはテスラだ。EUに本社を置くBMWやルノーも、中国工場から相当な数のEVをヨーロッパに輸出している。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「これは誤ったやり方だ。保護貿易主義は報復関税の応酬という連鎖反応を引き起こす」。BMWのオリバー・ツィプセ社長は欧州委の追加関税を強く批判し、こう切り捨てた。

「BMWのグローバル競争力を高めるうえで、このような保護主義的措置はまったく役に立たない」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は6月12日

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