「今月も厳しい」営業に苦戦する男に響いた"言葉" 2人の先輩から学んだこと・学ばなかったこと

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普段から話をすることに慣れている営業マンとはいえ、得意先での営業トークと、大勢の前で話をするのとは勝手がまったく異なります。

どこかで仕入れてきた格言めいた話や、たいしておもしろくもないギャグが不発に終わり、ほとんどが発表を終えると、すごすごと自分の席に戻るといった具合です。

ところがある日、登壇した石元さんの話はちょっと違っていました。

石元さんはゆっくりと皆の前に進み、周りを見渡しながら、いつもの穏やかな調子で話し始めました。

「皆さんは、ワシが楽勝でモノを売ってきていると思っているでしょう。でも、ワシは小柄で見ての通り迫力もない。このように話し方もそれほどうまいわけじゃない。得意先にきつい言葉で断られたら、それなりに落ち込むし、その店に行くのが嫌になることもある。でも、1つだけみんなと違うと思うところがある。昨日までの自分を模倣しないということだ」

石元さんは続けます。

「うまくいかなかったことを繰り返さないということだ。ほとんどの人は自分のやり方を変えないと思う。ワシも全部を変える必要はないと思うが、うまくいかないと思う点は変えるに越したことはない。ところが、ほとんどの人はこちらでうまくいかなくても、あちらではうまくいくかもしれないと思って、自分のやり方を変えない。

挙げ句の果てには、それを誰かのせいにしてしまう。これではうまくいくわけがない。うまくいかないことは、ほかでも同じことが起こるものだ。逆にうまくいったことは、それを磨けばいい。昨日までの自分を模倣しない。同じことを繰り返さない。これが営業でずっと成績を上げていくためのコツの1つだと思う」

日々の営業の現実から顔を背けない石元さんの姿勢から出てくる言葉に、耳が痛いと感じます。何も考えずに昨日と同じようなことを今日もやろうとしている自分が、そこにいたからです。

営業は「いつも数字が傍らにいる」

営業には数字がつきものです。

会社の営業形態によって多少設定は異なるかもしれませんが、年間目標から毎月の予算が決まり、今日はどれだけ売ってこなければといった具合に、いつも数字が傍らにいるという感じです。

私たちは月次で目標を管理していましたが、調子よく売れる月もあれば、厳しい月もあります。相手があってこその営業なので、都合よくはいきません。

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