ミセスのMV炎上「コロンブス」が犯した恐ろしい罪 YouTubeは公開後に批判のコメントが相次いだ

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もちろん、先住民たちも、やがてコロンブスたちの行動に疑いを持ち、抵抗するようになる。すると、コロンブス率いるスペイン軍は、先住民たちを虐殺し、非人道的な弾圧と強奪を繰り返した。

コロンブスの一行は、香辛料、ジャガイモ、そして、タバコを持ち帰った。コロンブスは、新大陸ではじめて出会ったタバコについて、航海日誌に次のように書いている。

「一方の端に火をつけ、もう一方の端をちょっと吸ったり深く吸い込んだりして、息とともに煙を体内に入れている。この煙で体が鎮まり、ほとんど酔ったようになる。だから彼らは疲れというものをしらない」

病気も持ち帰ってしまった

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そうして喫煙の習慣をヨーロッパに持ち込んだだけではなく、梅毒という病気も持ち帰ってしまった。港で彼らを診察した医師はこう言ったという。

「神の御心によって、これまで知られていなかった新しい病気が私たちのもとへもたらされた」

その後、この病気は爆発的に流行し、世界へと広がっていく。コロンブスとその一行たちによる、ざんねんな行動が原因といえるかもしれない。

 

【参考文献】
クリストーバル・コロン著、林屋永吉訳『コロンブス航海誌』(岩波文庫)
コロンブス著、林屋永吉訳『コロンブス 全航海の報告』 (岩波文庫)
真山知幸『ざんねんな偉人伝』(学研)

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は 『偉人メシ伝』 『あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか』 『日本史の13人の怖いお母さん』『逃げまくった文豪たち 嫌なことがあったら逃げたらいいよ』(実務教育出版)。「東洋経済オンラインアワード2021」でニューウェーブ賞を受賞。

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