アップルはAIで遅れていたが、今回のWWDCで巻き返しの策に出た。
巷での評判はそんなところではないだろうか。そういう言い方もまた間違いではないが、WWDCを現地で取材する身としては、また別の印象を受けている。
同じような時期に走り始めたビッグテックだが、商品戦略の違いで表に出てくるタイミングと、戦略上の組み立てが違うというのが筆者の見方だ。
さらに言えばレース自体のゴールも見えておらず、どこまでどう走るべきかを模索している、というのが現状ではないだろうか。
では、その中でアップルが目指すゴールはどこで、他社とはどう違うのか? その点を考察してみたい。
「遅れを挽回」という見方に対する違和感
GoogleにしろOpenAIにしろMetaにしろ、ビッグテックは大規模な生成AIの開発に力を入れている。
それらの企業と違い、アップルは“クラウドで動く大規模な生成AI”に積極的でないように見える。それが“遅れ”と感じられる部分はあるのだろう。
今回アップルは、各種OSでOpenAIの「GPT-4o」を使えるようにした。そのため「OpenAIをパートナーとして遅れを挽回」と説明する記事も多い。
ただ、これはちょっと認識が異なると感じる。
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