「カラスの被害」で、自動車保険は下りる? どこまで補償?損保大手2社に聞いてみた
島根県松江市の住宅街で、車のワイパーのゴムが引きちぎられるなどの被害が約40件相次いだ。誰がこんないたずらを――不審に思った警察の捜査で明らかになった犯人は「カラス」だった。引きちぎったゴムは巣作りに利用した可能性があるという。
報道によると、最初に被害が起きたのは今年の2月ごろ。被害届を受けた松江署がのべ約50人の捜査員を投入して捜査を進め、防犯カメラを設置するなど万全の体制で犯人を待ちかまえた。
カラスによる被害は自動車保険の対象になる?
防犯カメラに、犯人の黒い影が映ったのは、5月下旬。車のボンネットにとまり、ワイパーをつつくカラスの姿が映し出されていた。目撃情報などの証拠もそろい、同署はワイパー破壊の犯人をカラスと断定。その後、被害は沈静化したが、地元自治会では来年の繁殖期も警戒するという。
この報道で気になるのは、野生動物によって車を破壊されたり、事故が起きた場合、自動車保険で修理費を補償してもらえるかという点だ。
ワイパーがカラスに破壊された場合、自動車保険でカバーされるのだろうか? 弁護士ドットコムニュースの記者が、大手損害保険会社2社に取材すると、「補償の対象となります」と、意外な答えが返ってきた。詳細は次のとおりだ。
「一般条件の車両保険であれば、偶然の事故として補償の対象となります。ワイパー破損のように、契約自動車が部分的に破損している場合には、実際にかかった修理費などから、自己負担額(免責金額)を差し引いた金額が支払われます」(A社)