子どもの近視を抑制できる「外遊び」の一石二鳥 「義務化」した台湾では子どもの近視率が低下 

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それを知った中国も子どもの近視対策を始めています。ネットなどで当時話題になったのでご存じの方も多いかもしれませんが、中国では子どものオンラインゲーム時間を制限する規制や、学習塾に対する規制が2021年から導入されています。

子どもがスマホなどの画面を見る時間を制限することも検討されています。これは2018年に習近平主席が「近視を減らすことが子どもたちの明るい未来のために必要だ」とみずからイニシアチブを取って指示したことによります。

WHOも2019年に、視力に関する最初の報告書を作成し、「最も頻度の高い眼疾患である近視と外遊びの重要性」を指摘しました。これから、その注目度はさらに高まると私は見ています。

外遊びは一石二鳥

この「2時間ほどの屋外活動に近視の抑制効果がある」という大発見は、台湾で最も有名な眼科の研究者の一人であるウー・ペイチャンという人が書いた論文で発表されました。

もともと動物実験で、強い光の下で飼った動物のほうが、弱い光で飼った動物に比べて近視になりにくいことが示唆されていました。そこでウー・ペイチャンは、これを学童期の子どもにあてはめてみたわけです。

昔から、日照時間が長い季節のほうが、近視が進まないとされています。近視は夏に進みにくくて、冬に進みやすいのです。このことからも、光の暴露量は重要だと考えられます。

屋外なら、強い光を浴びることができるのはもちろんですが、自然と遠くを見ることにもなり、一石二鳥です。

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