そして、7月2日、政府税制調査会第13回総会が開かれ、上記に沿い、中長期的な視点に立って税制改革の議論を始めた。政府税制調査会は、昨年11月にまとめた「働き方の選択に対して中立的な税制の構築をはじめとする個人所得課税改革に関する論点整理(第1次レポート)」で、配偶者控除の見直しについて3つの選択肢を提示していた。
配偶者控除の「3つの選択肢」とは?
この配偶者控除の見直しについての3つの選択肢の絞り込みは、宿題として残されていた。そこに、6月30日の骨太の方針2015で「政府税制調査会を中心に具体的な制度設計の検討に速やかに着手する。」と記されたことを受けて、議論を始めたのである。
そのうえ、骨太の方針2015には、税制の見直しをできるだけ早期に行う、とも記されている。できるだけ早期というからには、来年度か再来年度の税制改正には盛り込むことを意識している。政府税制調査会での議論も、それに沿うペースで進むと考えられる。
では、配偶者控除、ひいては個人所得課税をどのように変えるのか。
所得税制を改革する、というと、しばしば国民には増税との疑心暗鬼が渦巻く。しかし、この点について骨太の方針2015には、上記のように、「税収中立の考え方を基本」と明記されている。個人の間では増税になる人と減税になる人があっても、全体では増税にならないようにすることを大前提として議論が進められることになる。
配偶者控除の見直しをどう図るか。前掲の政府税制調査会の第1次レポートでは、3つの選択肢として、配偶者控除を廃止してその財源で子育て支援を拡充する【選択肢A】、移転的基礎控除を導入しつつ子育て支援を拡充する【選択肢B】、「夫婦世帯」を対象とする新たな控除を導入しつつ子育て支援を拡充する【選択肢C】を挙げた。ここでいう移転的基礎控除の詳細は、拙稿「配偶者控除見直しの真の狙いは」を参照されたい。
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